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人格形成は環境のせいで54

こんばんは。

更新しました。


来週からはもう少し積極的に、書きます。

※今、社会人なのに試験前ーー!

応援よろしくお願いします。

        ※


「悠希がとりかえばや達に影響を与えているのは確かだと思う。悠希が入学した時から、入学後この学校の、つまり研究エリアでのとりかえばやに影響があるかないかの統計をとってもたけれど、その数、数えるまでもないっていうか……」

 いや、と木杉は軽く笑った。


「私は研究者だからね、有意差については最後まで研究を残しているんだけど、見たい?」

「結構です」

 木杉が根拠なくこちらを伺うような人種だとは思わず、私は彼の申し出を断った。

 ここまで確信を持って、私とあの気色の悪いとりかえばや、私が認識するアンデッドとの影響を懸念事項として挙げてくるなら、それは認めていも良い。


 私が手首の先を自らちぎったから、救急病院というところに手当を依頼した、しかも緊急措置入院を受け入れる病棟を選択した彼の思考は常に冷静だ。


「私を精神病だと?」

「この世の枠にはめるなら、悠希君は確実に治療対象だよ」


 過去に母に病院に連れて行かれたことは記憶に新しく、私は嫌な顔をする。

 幼少時代、母である悠美には聞けなかったことを、木杉には問うことができた。

「どの部分が、私は精神的におかしい?」


 救急病院で入院できる個室を取ったけれど、そこに隣接する施設は、精神病患者が措置入院をする病棟なのだ。木杉の判断によって、紙一重のところで一般病棟にいることは認識していた。

 が、それは私にとってどうでもいいことだ。病棟など、棟を隔てたところにあり、どのような類がいても、この世はさして差別ない。

 人権という法が存在し、私がいた神の一族が統治する国ではないのだ。


 理由だけを知りたい。

 私は質問した。


 木杉はそうだなぁとこめかみを指でかいた。

「ちょっと甘いもの切れたんで待って」

 そう言いながら、衣服の中から棒のついた飴を取り出してビニール袋をめくっていた。

「甘いものってね、簡単にドーパミン出してくれるし、ちょっとクセになっちゃって」

 下を出して、合成着色料で寝られた飴を舐め始めた。


「じゃあ説明するね。木杉悠希君さ、君の症状って、まず自閉症スペクトラム障害、対人関係において完全に普通より劣勢の数値が出ると思う。ーーそれとさ、まるで選ばれたもののように話す口調や、今いる自分ではない感覚は離人症、統合失調症に多い症状で、想像するにおそらく幻聴なんかも生じてる?」

 言い当てられた、私はゴクリとのどを鳴らした。


「統合失調症の症状は、幻聴や作為体験、つまりなんかずっと自分が他者に支配されているような感覚。陰性症状としては、意欲喪失や感情の平板化、非社会性なんかも言われてる」

「はぁ。ぴったりですね」

 私は素直に、そういった診断が私に下されるのかとうなづいた。


「挙句の当てに、手を洗わなければいられないのは強迫性症って名前がつくんだ。ーーてことで悠希ーー」

「私っは病巣の巣窟なわけですね?」

 確認すると、木杉はそれを認め、「手首まで自傷するとかボーダーライン超えてるから」と冷静に言った。


「状況的にも、妹さんが亡くなって、今一番堪えるよね? それに感化されて、僕が研究するとりかえばやが進行していく。これって、ーーとういうこと?」

 真面目に私に質問してくる木杉は、おそらくは私の精神的な病気を疑っている。確信していれば、私は今頃別の病棟に隔離されていただろう。


 ひとまず精神的なもので措置入院させられる要因を隠して手当してくれたことには、感謝しなければならないのだろうと、この歳まで悠希として生きてきた常識の範囲内で分かったが、アセスとしてはそれもどうでもいいことだ。


 悠希という身体ごと、この世の生を終わらせれば、アセスに戻れるのだろうかという誘惑があり、礼を言う事など出来はしない。

 その代わりに、想像の範囲で私の行動にとりかえばやされた者が反応してくる理由について語ることにした。

 そして、その理由を話そうと思えば、この世以外の、私の本来の生についても理解してもらう必要があり、躊躇うことだ。


 もう、この世に未練はない。

 そうするとこの世でうまくやっていく必要もない。


 だから真実を口にしてやろう。

 信じる信じないは別だ。聞かれた内容に木杉がさらに、私を統合失調症だと確信し、私を拘束しようとしても、逃れる方法っは幾重にもあった。


「長い夜になりそうだ」

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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