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人格形成は環境のせいで46

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

         ※


 私を縛るのはもう、学校という日常的な仕組みだけで、それを最後の拠り所としてこの場に来たというのに、クラスの大半がそこに属さない人種に入れ替わっているとはどういうことか。私は自分が所属するクラスの教室内に座って、当てが外れたことを嘆息する。


 高校で習う微分積分の授業はそれなりに面白かったというのに、こうまで認知症患者と同レベルのθ派が出ている若者に囲まれていては、授業に集中するのは難しい。

 こいつら本当に生きて(覚醒して)いる?


 人間はレム睡眠字に4〜7Hzの電気活動量だ。

 新生児ならともかく、成人していて4〜7Hzの活動電位しかない人間なんて、眠っているような状態で意識が不透明だ。


 私はふうとため息をつく。

 少し前であれば、休憩中になれば生徒達の間では、多少なりともクラス内情報交換が行われていた。


 退屈ではあるが、何に興味があるとか、誰が好きとか嫌いか等の話、また趣味に対しての嗜好の共有レベルだ。


 私はその馬鹿げた情報共有に交わることはなく、遠巻きに見守っていたが、今クラス内にそう言った日常のコミュニケーションは見られない。


 今彼らの脳の波長を木杉に任せて記録すれば、とんでもない数値を記録するだろう。


 この世に生きて、バイオロカジルフィードバック、ーーつまり科学的に生体反応を見える化する技術について興味を持った。

 想像ではなく、全てを数値化して見えるようにするとは、画期的だ。


 木杉ーーあいつが掴むデータについて、驚きはしても疑問視したことはない。

 特に彼は科学バカで、サナレスを彷彿とさせる存在なのだ。彼が計測するなら、そのデータは信頼して良いだろう。


 彼がワクチン摂取について警鐘を鳴らした。


 統計的に集団免疫をつけた方が良いとされる昨今の生活を、甘んじて受け入れ、ワクチンについてもしっかりと情報を整理してきたつもりだった。


 けれど。

 木杉の説明する施設の中で、私は自分の迂闊さを知らされることになる。


 白づくめの子供を容認していた意識は、決してない。

 そう、そこまで稀有に定形外の反応をする遺伝子に対して、人は注意を払わなかった。むしろ統計学でも切り捨てる数値かもしれない。


 だから人は彼等のような存在を社会の外に排除してきたのだろうか。


 無知ゆえに人はそこまで考えない。大多数の人がそれをよしとするなら甘んじて受け入れることが良いとさえ、勘違いしている。


 その点で私も、その他大勢の人間と同じ思考回路だったということを知り、自分の凡人さに辟易してしまう。

 これがサナレスであればーー。

 詮無いことを考えて、私は頭を振った。


 そのとき、クラス内の学生一人が授業中だというのに突然立ち上がった。

 私はクラスの窓側後方に座っており、座席位置から見て、かなり前方にいる男子生徒だ。彼の発する意識レベルも相当低くなっている。


 何をやらかす気だと見守ると、教壇に立っていた教師が彼の行動を止めに入り、次の瞬間生徒が振り上げた拳で殴り倒されてしまった。

 吹っ飛ばされた衝撃で、年配の男性教師は教壇をひっくり返しながら床に転がった。


「きゃあ!」

 一部の女子から悲鳴が上がる。何人かの男子生徒が止めに入ろうとするが、教師を殴った生徒の目は虚である。

 幻覚でも見ているのか?


「まただよ……」

「なんか最近、やばくない? 暴れるやつ多い」

「誰か、早く止めてよ」

 何名か正義感のある者が生徒を取り囲むが、ひそひそと遠巻きにする学生もいる。その他、騒動に全く無反応で、同じように虚な目をして座ったままの生徒も多いようだ。


 一人の暴走に触発されて、全員一緒に暴れ出したら厄介だな。

 私は使役霊を口寄せして、暴れている生徒の体に潜らせ、脳波をノンレム睡眠時の3Hz以下に落としてやった。


 深山みゆきのやっていることを想像して応用し、真似事をしているに過ぎないが、使役霊を媒介にすれば人の身体の機能の一部を変化させることぐらい可能だった。

 目論見通り、生徒はその場で意識を失ってくれる。

 一件落着だな。


 そう思って授業が再開してくれることを願っていると、虚な生徒達の視線が、こちらをじっと眺めてきた。

 異様な彼等からの視線は私がしたことを察したようだ。

 私は教科書の角で自分の額を押さえ、不気味な視線を逸らせてやった。

こんばんは。

少し涼しくなりました。

9月に入り、このなろう系に小説を載せ始めて2年目に入りました!


少しづつですが、読んでいただけていることが嬉しく、1年書き続けることだできました。

感想や反応を励みに、今後もゆるーく日記のように書いていきます。

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