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人格形成は環境のせいで26

こんばんは。

物語がやっと少し動き始めました。

書いていて肩が凝らない。でも一人称を書いていると、何故か三人称を書きたくなる。

どうしたものか。


日記のように執筆するぞ。

応援よろしくお願いします。


「いったいこれ、なんなんですか?」

 教室内で乱雑に散らばった机と、倒れた椅子、そして積み重なりながら意識を失っている生徒達を冷静に見ながら、私は吐息をついた。


「ーー日食って俺たちは呼んでるんだけどさ。言っただろ? この土地はちょっと特殊なんだ」

「少なくとも3人は、即死ですね」

 我先に逃げようと教室を飛び出した男子生徒が2人、そして中央で怯えきっていた女生徒が1人だ。


「悠希君さぁ、もう少しクラスメイトのこと厭おう(いとおう)よ」

「保護義務はないので」

「ではなくってさぁ、クラスメイトでしょ? 知り合いでしょ?」


 たまたま同じ空間に集められて、空気を共有してしまっただけの顔見知りに、感慨を抱けと?

 口に出すと更に非難轟々になりそうなので、私は黙った。


「ちょっとねぇ大丈夫?」

 深山がまっすぐな髪をなびかせながら教室の中に走り込んでくる。

「わぁ、ひどいわね今回」


 木杉に続いてやってきた深山もまた、嫌に場慣れしていて、片眉を上げてため息をついている。

「えっと、このクラス何人いたっけ?」

「27人」

「あ、ってことはやっぱり3人足りないのか」

 あっさりと言い当てる。


 深山という女性も不思議な雰囲気を持っていた。

 オッドアイを隠しているときは、単に背の高い細めの美人といった感じだけれど、妙に姿勢がいい。スタイルが良いことを差し引いても、所作が一般人とは違う。


 彼女は積み重なった生徒の側に行って、意識を失っている生徒の閉じた瞼を、長い指でぐっと開いた。

「24人もいたら大変じゃない」

「23人でいいんじゃない? 悠希くんはお仲間でしょ」

「あ、それもそうね」

 木杉と不穏な会話を続けながら、彼女はめんどくさそうに倒れている生徒達の目を開いていく。


「あれ、何してるんですか?」

「ーー記憶操作」

 質問に潔い回答を得て、私は黙った。


 そんな簡単に口にするのか? ーーわりと非人道的なこと。

 この世界の人間として、やはりこの2人は変わり種だと確信する。


「ちょっと蓮はなんで来ないのよ。力仕事はあいつの領分でしょ!?」

 ぶつぶつ言いながら深山は重なっている生徒の体を一人一人引き剥がしながら、生徒の眼球に何かしている。


「この人たちの記憶消してるんですか?」

「うん、彼女は救護班」

「救護班って……、記憶消すことが!?」

 ぶっきらぼうに聞いてしまうと、深山の方が全力で否定してきた。


「ちょっとちょっと、この作業ほんと疲れるんだからね。ーーでもね、これだけの人数、さっきのこと覚えてたら皆日常生活できなくなるって」

「PTSD、つまり心的外傷後ストレス障害未然防止対策ね」

「EMDRーー眼球運動による脱感作と再処理法」


 専門用語並べられても、とどのつまりはこっち側に都合よく、生徒達の記憶を消して回っているというわけで、深山が重そうに生徒達をズルズルと引きずっているが、私はとても手伝う気にはなれなかった。

「この後どうするんですか?」

「蓮呼んで、元の授業やってた状態に戻してもらう」

「蓮のやつ、なんで来ないのよ!?」

 言葉尻に怒りを感じる。


「2年は今日クラス振り分ける実力テストだろ。そりゃ来ないわなぁ」

「いやいやいや、どうせ座っててもあいつはF組確定じゃない!」

「ん〜、じゃあそろそろ呼びに行こうか。他のクラスの連中に気づかれてもまずいし」

 木杉は天井に向かって、思いっきり腕を伸ばしている。


「これだけの騒動に、他のクラスの人ってまだ気がついていないんですか?」

 なんという鈍感さだと思うと、頭が痛い。


「そうだよねぇ。まぁでもこの学校、物理的にいち教室ごとにかなり距離とっているし、防音設備整えるのに無茶苦茶お金かけちゃったから、そうでないと困るのよぉ」

 音漏れとかしたら、悪徳業者で訴えていいくらいだと木杉は言った。


「蓮呼んでくるから、悠希くんはこのままここにいて。でもって予定通り、放課後ね。A組なんだし、サボるとかないでしょー?」

 笑いながら木杉は軽く手を振った。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー


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