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人格形成は環境のせいで23

こんばんは。


明日から休みに突入。

書きっぱなしてきた小説の誤字脱字や言い回し、てにをはをチェックしてみよう。


応援よろしくお願いします。

        ※

 

 私の身体が仮死状態でいられる7日間、どこまで伸ばせても10日が限界だと聞いていた。アルス大陸と日本列島では時空軸が違うようだが、私は15年以上もこの現世で生き続けている。


 刻一刻と戻れなくなるのではないかと不安を感じた。

 リンフィーナ、彼女と別れた時のことを思い出すと心臓がギュッとなった。


 自分が言ってしまった冷たい言葉を思い出す。

『私はサナレスが邪魔で仕方なくて、彼を殺した。ーーねぇリンフィーナ、だからお別れだ』

 何より彼女を傷つけるとわかっていて、あえて彼女を遠ざけた。


 そんな私が再び彼女と寄りを戻すことなど、とてつもなく不可能に近い。

 けれどーー。


 このままでは嫌だった。

 あの最悪の別れをしたままの状態で、二度と弁解する機会も得られず、サナレスに勝負を挑むこともなく、アセスとして消えるのは嫌だ。

 耐えられない。


 それが故に、所詮この世は空蝉の世界だと思っていた。

 今の自分の人生など仮初だ。


 いつこの身体、つまり山村悠希の生を手放すことになってもいいように、不必要な人間関係を極力嫌い、いつでもアセスとして再びラーディオヌ一族に戻る準備をしていた。


「悠希?」


 けれどそんな私でも、全ての人間関係を避けてくるわけにはいかなかった。

 まず避けられないのは家族だ。


 寝室に行く母に付き添って、背を向けて出て行こうとした時、母である女は不安げに私を呼び止める。

 私は振り返らずに「おやすみ」と言って扉を閉めた。


 家族というものは、家というずいぶん狭い、閉鎖的な空間に一緒に暮らす。

 息がつまりそうで、早く出ていきたくとも、未成年と言われる時期が長い文化下では、私は親の保護の元にあった。


 自分でしたことに、自分で責任を取ることすらできない、子供は真綿に包まれ、そして同時に不自由だった。


 本当は悠美のことなど私は心配してはいないのかもしれない。

 父に伝えて、それで自分の役目は終わったと、心のどこかで思っていた。


 いつも自分に信頼を寄せてくる妹真由にも、どこかで線引きしている自分がいた。


 子供の頃、かぐや姫という童話を読み聞かされた。


 赤子で拾われたかぐや姫は、いつか月に帰ることをずっと隠して生きていた。

 育て親の前で、何食わぬ顔で生活し、ただひたすら月に帰る日を感じていた。


 かぐや姫は泣きながら、この世を去るのは寂しいと言ったが、それは本心だったのだろうか。私には彼女の気持ちがわからなかった。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー


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