人格形成は環境のせいで20
こんばんは。
最近は勉強時間確保のために執筆時間が遅れ気味です。
このままでは寝不足、そして朝起きれずにまた朝の勉強時間が夜に食い込む。
どこがで挽回できないかな。
楽しみで書いています。
※
日本の呪術師についての本を、この世界で生まれて初めて手に取った私は、父親と別れた後、持ち帰りたくなった数冊の本の会計を済ませた。
無人レジでは多少変わった本だとしても、人の目を気にする必要もなかったが、こうした購入履歴はビックデータとして人工知能の中に記憶されるのが現代社会だ。
自分がこれまで購入した本の多くは、歴史書や果樹に関するものだったが、ここにきて呪術というカテゴリのものが、私の嗜好品として集積される。
生まれてしばらくもしない頃、現代社会で呪術が否定されていることを知らず、力を使った。子供の四肢であることの不快感から、手当たり次第周囲のものを宙に浮かせてしまったことがある。
その時ちょうど家の中には母がいて、彼女はそれを目撃して絶叫と共に卒倒した。
あんまり驚かれたものだし、そのことを彼女が父に必死で訴える姿を見て、私は幼いながらに能力を隠すことを覚えたのだ。
だからこれまで、アセスとしての重大なアイデンティティに蓋をして生きてきたのだが、現代にも呪術師がいるとなれば話は別だった。
空想の中だけではなく、歴史上にいた有名な陰陽師たちが呪術を使用したのであれば、現代においても存在が消えているわけではないのかもしれない。
有名なところは、平安時代に生きた安倍晴明。平安時代ではものの怪が出た件の話がよく描かれていて、百鬼夜行という言葉もこの時代に生まれたらしい。
晴明は干ばつが続く日に雨乞いを行なったとか、病気を治すための祈祷をしたとか、記されている。
雨乞いなんてーー。
まるでラーディア一族のラァ太母のことのようだ。
また晴明は呪術に長けていて、最強の式神である十二神将を操ったとされていて、式神というのは、言い方は違えど精霊に酷似している。
名前をとって、呼び出して使役するところなど、活用方法も非常に似ている。
他にも同じ平安時代、晴明のライバルには蘆屋道満という陰陽師がいたと記されているし、明治維新以前までは陰陽道は普通に存在していたらしい。
それが西洋人が渡ってきて科学文明が発達し、現代社会の中で成りを潜めていった。
西洋人ってのはサナレスみたいだった。
「こんな変革が歴史上あり得るのであれば……」
呪術と呪いで反映するラーディオヌ一族が滅びることも、また起こり得る未来なのかもしれないーー。
サナレスや彼の友人のリトウみたいな人間が、時代を変えていくのかもしれないと思うと、何か肩身が狭い気持ちになった。
それでも。
目に見えぬものは確かに存在する。
そして人智を超えた力というのは、世界のあらゆるところにまるでこの世の磁場のように存在しているのだ。そして私たち自身が常に電力を放出しており、磁場と結びついて力を形にする。
いくつか買ってきた本の中に、一冊とても気になることが書かれているものがあった。
呪術や幽霊、目に見えないものは、今は見えず、証明するための科学力が追いついていないことに要因があり、存在を否定する理由にならない。
本の冒頭に書かれていたことが気になったのだが、作者がタカオ・ウイリアムズという名前で日系イギリス人で、まさかと思って写真を確認すると、白黒でかなり不鮮明な写真ではあるが、間違いなくあの木杉貴男だったのだ。
彼は超常研究の第一人者として有名で、自身がサイコキネシス、つまり念動力で物を動かす記録をこと細やかに記録し、それについて執筆までしているらしい。
海外ではその道の権威としてそれなりに評価されたようだが、日本ではまるで詐欺師のように否定されていることも、過去のネットのニュースで知ることができた。
ーーけれど。
どうやら本物らしい。
それならばあの物々しいまでの高級な機材に納得がいった。膨大な数の監視カメラ、人感センサー付きの室温測定器、どれも一個人が所有する物ではなく、彼はイギリスの超能力研究チームに所属する博士である。
強制参加させる部活としては一興だと、私はクツクツと喉を鳴らした。
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
シリーズの8作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




