人格形成は環境のせいで11
こんばんは。
今日は少し遅いアップになりました。
明日はロードで遠乗りに出かけるので、いそいそと準備していました。
もう寝ないと朝3時起きだ。
この話も早くも11話。
挿絵も描こうと思いつつ、日記のように書いているのでスピード追いつかず。
せめて週一枚は描きたいなぁ。
※
オートロックのマンションが今の自分の住まいだった。
この時代庶民は皆、高層ビルの箱の中に住むのが一般的なようだ。もっと郊外に行けば一軒家も多くあるというが、父親の職場に近い都心のマンションに、私達家族は住んでいた、
ニュースでやっている情報によると、近年では都心よりも地方に移り住み、暮らしを豊かにする人が多いらしい。
そうだろうなぁと、私はため息をついた。
何が悲しくて、廃れた人通りの少なくなった、人口が減り続ける都市に残り続けるのかと思う。
父が国立感染症研究所の医師でなければ、都会にずっと住み続けなくてもよかったのに、と母の愚痴を何度となく聞かされていた。
「ただいま」
いつものように玄関の扉を開けて、靴を脱ぐと、私はしゃがみこんで靴を揃えた。こうするのが礼儀らしいと、この世界の理をかなり理解してきている。
「おかえり〜、お兄ちゃん」
「ああ、ただいま」
この世界では私には妹ができた。
天真爛漫で朗らかな彼女は真由という名で、陰気な自分とは真逆に陽の雰囲気を漂わす。
「あれ? お兄ちゃん部活は? 高校入っても帰宅部なの?」
この妹に絡みつかれるのには慣れていて、アセスは彼女を横目に自分の部屋へ向かい、帰宅後のルーティンをこなしていった。
「お前も、いつまでも制服着たままじゃないか? 早く着替えて、そいつを滅菌室に吊るしておいで。あとシャワー先に使っていいから」
「んんー、めんどくさい!」
「だめだって、この辺の空気は汚染されてるんだから、いくら混合ワクチンを年に数回打ってても、油断しちゃだめだ」
すっかり兄貴づらが板についていた。
真由と喋っていると、リンフィーナを思い出した。兄と妹ってこんな感じなんだと初めて知って、そしてサナレスのことをふと考える。
きっと私が真由を可愛がるのと、サナレスがリンフィーナに寄せる愛情は、質が違うものだとやっとわかった。
真由が大事ではないわけではない。
けれど先の未来、彼女は彼女の道を行くことを、私は好ましいこととして受け止めている。
制服を脱ぎ、ラフな格好に着替えると私は水を飲みにリビングへ入ろうとした。
「あ、お兄ちゃん。今行かない方がいいよ」
「なんで?」
「だってお母さんがまたーー」
ああ。
「いつものことじゃないか。お前は気にせずシャワーにいって、早く譲ってくれ」
無表情にそうは言ったものの、私は一瞬、リビングの前で扉を開けるのを躊躇した。
今日もあの人は……。
深いため息が漏れた。
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
シリーズの8作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




