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童話 三色団子




昔々のお話です。

お団子を作る職人さんが、新しいお団子を考えていました。

しかし、さっぱり良い考えが浮かびません。

困った職人さんは春さん夏さん秋さん冬さんに相談しました。

「何か良い考えはありませんか?」

優しい四人は考えました。

そして、冬さんが言いました。

「そうだ、僕達四季をお団子にしたらどうだろう?」

「そうだそうだ、それは面白い」

春さん夏さん秋さん冬さんは早速、職人さんにそれを伝えました。

「なるほど、それは確かに面白そうだ」

職人さんは試しにお団子を作ってみました。

それは、春さんをピンクのお団子、夏さんを緑のお団子、秋さんを黄色いお団子、冬さんを白いお団子に見立てて作った、それはそれは見事なお団子です。

「みてください!この色には意味があり、春さんのピンクは桜のピンク。夏さんの緑は新緑の緑。秋さんの黄色は紅葉の黄色。冬さんの白は雪を表しているんです」

その見事なお団子にみんな大喜び。

しかし、秋さんだけ浮かない顔をしています。

それに気付いた夏さんが、秋さんに声をかけました。

「どうしたんだい?秋さん。こんなに見事なお団子なのに」

「う〜ん。とても見事なお団子だけど、四つはさすがに多くないかい?おやつに食べたらお腹がいっぱいになっちゃうよ」

たしかに、そのお団子を一本食べたら、夕飯が食べられないかもしれません。みんなは良い案はないものかと頭を捻りました。

みんなが唸りながら考えていると秋さんがポンッと自分の膝を叩きました。

「職人さん、そのお団子から僕の色を抜いたらいいよ。そうすれば量的にもちょうどいい」

職人さんは秋さんの提案に驚いて、

「いやいや秋さん、あなただけを仲間外れにしたみたいで申し訳ないよ」

すると秋さんは、

「違うんです。みんなで考えたお団子、末永く色んな人に食べてもらいたいでしょ?」

「そりゃそうだけど…」

「僕が抜ければ飽きない(秋無い)と語呂がいい。三つならお腹も丁度いい。いい事ずくめじゃないか」

その秋さんの言葉に一同は思わずうなずきました。


かくして、ピンク・白・緑の三色団子は今の形になったとさ。



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