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第0話

焚き火の周りを精悍な顔立ちの男たちが囲い、歓談をしている。雰囲気は悪くない。しかし、男たちがなす二つの半円は繋がらず距離を置いている。


その先端の一つにいた少年は、1人だけ誰と話すでもなく、居心地の悪さを感じていた。うつむきがちに火を見つめながら、水をちびちびと飲む。


「お前さん、体調でも悪いのか?」


そんな少年を察して、隣の男が声をかけた。毛むくじゃらの屈強な見た目の男だ。


「いえ……ただ、明日のことを考えると不安で……」


「なに、このメンツなら大丈夫さ‼︎ 心配するな」


男は鼓舞するように少年の背中を叩く。太い腕で叩かれ少年はむせた。


「ところで、お前さんはなんで今回の討伐隊に加わったんさ? 戦争経験もないのによく名乗り出たもんさ。いや、火力的にはありがたいがね」


「魔法の存在をみんなに知ってもらいたいんです」


少年の答えに男は怪訝な顔をする。


「みんな魔法があることくらいは知っとるさ」


少年は首を振る。


「魔法が必ずしも危険じゃなくて、呪いなんかじゃなくて、有用で便利で……それに楽しいってことを知って欲しいんです」


男はあっけにとられた。


少年は不安を忘れ目を輝かせていた。尻尾があれば大きく左右に動いていただろう。


「……そうか。まあ頑張れな」


その後、少年と男は寝るまで会話を続けた。というよりも、少年が語り続けやめようとしなかったのだ。結局、男がげんこつを落として、少年を強引に眠りにつかせた。

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