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OLの春と冬

作者: いしいしい
掲載日:2016/10/31

 2016年春


朝のギラギラ太陽が私に「おはよう」と言っている。

 だから、私も「おはよう」と返す。


朝の凛としている桜の木が私に「おはよう」と言っている。

 だから、私も「おはよう」と返す。


朝の元気に鳥羽立っている小鳥が私に「おはよう」と言っている。

 だから、私も「おはよう」と返す。


不安事があると私はいつもこれをする。

これをして今日もいい事あるぞっと胸に強く想う。

ようにしている。


さて、今日から社会人デビューだ。

就職活動で何となく受けた保険会社に採用され、何となく入社を迎えた。

別にこの会社に入りたいと思っていた訳ではない。

ここしか採用されなかった。


約50社は受けたが、ほぼ全滅。唯一採用されたのがこの会社1社のみだった。

まあ、特段やりたい事とかあった訳ではないし、それなりに大きな会社なので、あまり不満はない。


不満があるとすれば、通勤距離だ。

会社は都心部。私の実家は埼玉。

片道90分はかかる。

90分あればちょっとしたデートが出来る。

内定が決まった時は、1人暮らしも考えたが、

寂しがりやで、面倒くさがりの自分には無理だと判断した。1人暮らしを避ける為、大学も家から通える近い所を選んだ。

流石に、就職先はそういった理由で選べなかった。

勿論、埼玉県内の会社も複数受けたが全滅。

ほんと、なくなくの就職です。

しかし、この就職氷河期と言われている御時世です。

内定貰っただけども、嬉しいと思わなくては。


初出勤の今日は9時出社なので、7時には家を出る。

家から最寄駅までは、自転車で10分。

私は新鮮なワクワクとした気持ちと新しい環境に対する不安な気持ちの両方を胸に自転車を漕いだ。


自転車駐車場に自転車を停め、私は改札を通り東京行きのホームに向かった。

この駅自体は、中学の時から何回も利用している。

だが、朝の7時台に利用するのは初めてかもしれない。うん。おそらく初めてだ。

こんなに、スーツを着ている人がぎゅうぎゅうになって電車に乗っている光景は初めて見た。


流石は、出勤ラッシュ。驚嘆した。

私はこの中に入らなければならないのか。っと考えるとぞっとするので、迷わず女性専用車両に乗る。


こういう時だけ、日本は最高だと思う。


さて、1時間私もここで拘束されるのか。

毎日これを繰り返すのか。

何気なく乗っている周りのOLさんは毎日乗っているのか。

あのOLさんはどんな仕事しているんだろう。

仕事といえば、保険の営業ってどんなことするんだろう。

どっかの会社にいって、保険の紹介とかするのかな。

上司はどんな人だろう。優しい人だといいな。


こんな事を考えていると、あっという間に1時間経ち

会社の最寄駅に着いた。


駅から降り改札を通ると、さらに私の胸は鼓動は早くした。

時刻は午前8:30。スーツ姿の人がいっぱいだ。

セカセカと歩いている。これから皆さんお仕事ですか。お疲れ様です。

毎日毎日大変ですね。家族の為、生活の為、人それぞれ違った思いで仕事をされているわけです。

私は何の為に仕事をするのか。正直分かりません。

大学を卒業したら、就職をする。それが一般的な世間体というやつです。

ということは、私はその世間体というやつに飲み込まれているわけですね。

..........

おっと、こんな事を考えていたら、時刻は40分。

会社には、最低10分前にはつかないと。

会社は、駅からは近い。徒歩5分もかからない。

道順もすでに把握済みだ。こういうことに関しては、かなり慎重なのである。







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