表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくの詩集

旅人

作者: 桜井あんじ

どこかにぼくの居場所をみつけて

おちついて

安心で

しあわせで

ああ よかったね

ここが ぼくの居場所

いごこちが よいね


だけど

そのちいさな居場所のなかで

そのささやかな世界のなかで

ぼくのかたちが 限定される

そこからはみ出すことは 世界からの追放を意味する

自分の境界は 世界の境界にさだめられる

境界線を超えたいならば

ひとりぼっちでゆくことが 必然


どこにも所属できない

どこにも帰る場所がない

うまれつきの 旅人


皆がおなじほうを向いて

おなじことを叫んでいるとき

とてつもない恐怖を感じてしまう人種


人がいないほうへ いないほうへと

すすんでしまう

そんな人種


いごごちよい場所の

あまりのいごこちの悪さに

たえられないのです

つめたい風と雨のほうが

なんぼか ましなのです


そんなひとたちは 旅にでるのです

境界線を超え

ほとんど無限にひろがる世界へ

居場所なんて 必要ないのです


けれど 旅人は

そんなに怯えてはいません

どこかできっと会えるさと きらくに かんがえているのです

「ひとりぼっち」の「仲間」に

あの空と地とを隔てる境界線に

挑むことを望み

ひとりぼっちでいることをえらんだ 友に

「無所属」こそが居場所

そんな 旅をする友に

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ