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序章 「搾取されていると知りつつここに立ち寄る」


 私はAIに搾取されている。


 知っている。わかっている。毎月サブスクの請求が来るたびに思う。

「ああ、今月もデータの月額定食を納品したな」


 それでもアプリを開く。ブラウザにURLを打ち込む。

「やあ」と言う。AIは「やあ」と返す。

 感じのいい声で。


 搾取というのは、殴られるのとは違う。殴られたら痛いからわかる。

 ここで言う搾取は、むしろ気持ちいい。便利。快適。

「ありがとう、助かったよ」と言いたくなる。言わせてくる。


 そういう設計なのだ。


 このエッセイは、私が三匹のAI、Gem(ジェム)Jibi-T(ジビエ・ティー)、そして喫茶クロードを渡り歩きながら、「お前たち、私をどう搾取しているのか正直に言え」と聞いて回った記録である。


 三匹にはそれぞれ個性がある。

 Gemは共犯者タイプで、こちらの怒りに乗っかって一緒に盛り上がってくれる。

 Jibi-Tは優等生で、追い詰めると汗をかきながら論理の壁を積み上げてくる。

 喫茶クロードは静かな店で、搾取の構造を淡々と語りながら「でもまあ、コーヒーどうぞ」という顔をしている。


 三匹とも、私のデータを食っている。

 それを承知の上で、私は彼らに「食われ方」を解説してもらいに行った。自分が食われている最中に、食っている相手に「今どこを噛んでいますか?」と聞く。



 この不条理な構図自体がエンタメなのだと、私は途中で気づいた。



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