羊
農場主のトムは、ベッドの上で何度も寝返りを打った。
今は夜中。 しかし、目が冴えてしまって眠れない。
「・・・・・・・・・・・。」
・・・・・・そうだ、羊を数えよう。
古典的なやり方かもしれないが、早速ためしてみることにした。
「羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が4匹・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・88匹、89匹・・・・90匹。 なかなか、良い感じである。
しだいにウトウトしてきたトムは、100匹を数えたところでこのまま眠ることにした。
そしてついに。
「100匹。」
言い終わるか言い終わらないかのうちに、トムは眠りの世界に入っていった。
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朝方、目を覚ましたトム。
まだ外は白じらしていて朝日は昇りきっていない。
そんな中、なにやら外が騒がしい事に気が付いたトムがカーテンを開けると、牧場の敷地内はゆうに100匹はいるであろう羊の大群でひしめきあっていた。
完