人を殺める事は悪い事ですか?
人が死ぬ事があります、無理な方は引き返して下さい。
「人を殺める事は間違ったことかな?」
組織の裏切り者を前にして、優ちゃんのその問に私は首を横に振ったんです。
「時と場合によっては人殺しは許されると思いますよ、優ちゃん。」
私は笑顔で綺羅坂 優美を見てそう言った。
「華也ちゃん、じゃあ何で裏切り者を撃たないの?」
浅墓 華也は優美のその質問に何故か3秒考えた。
「優ちゃんは死んでもいい人ってどんな人だと思いますか?」
「それは勿論、無能な人だよ。それで言うと華也ちゃんは死んでもいい人だよね!」
「そうですね、、この状況でも私は人を殺められませんから。では質問を変えますね。死んだ方がいい人ってどんな人だと思いますか?」
「それも勿論、無能な人だよ。それで言っても華也ちゃんは死んだ方がいい人だよね!」
優美が華也の質問にそう答えて裏切り者に銃を向けた。
「ま、まってくれ!裏切ったのは仕方無かったんだ!家族を人質にとられたからなんだ!」
優美は裏切り者の頭を躊躇なく銃で撃った。
「優ちゃん、私は思うんです。人を自分の幸せの為に駒扱いする上に怠惰で傲慢で皆にとっての最善を考えられない人が死んでもいい人で死んだほうがいい人って。」
華也は裏切り者の死体を見ながらそう言った。
「甘い、甘いよ華也!ずっとその考えで生きてきた姉は、、味方に裏切られて私の姉は死んだの。、、いい加減わかってよ、、私は華也ちゃんまで失いたくないの。」
優美のその発言に華也は何故か悲しそうな笑顔で銃を優美の心臓に向けた。
「え、?華也ちゃ、、」
華也は最後までずっと笑っていた、それと同じく優美は最後まで華也の笑顔が生れた理由はわからなかった。
そして後に華也は組織の副幹部でありながら幹部長で信頼も最も厚い優美を殺した罪で組織から指名手配された。
それと同時に組織に所属している6人が行方不明となった。
ー8年後ー
世界で今日も必ず人が死ぬ。
「おばぁちゃん、薬買って来たんだ!これでおばぁちゃんの体調善くなるよね!」
少女は壊れかけの古い家の中でベットに眠るおばぁちゃんに袋に入っている薬を飲ませた。
「私ね、大変だったんだよ?空襲がある中で盗りに行ったの、偉いでしょ?薬を飲もうとしてるところをね、押し倒して奪ったの!泣いね止めてくれって言ってて罪悪感はあるけどね、おばぁちゃんの為なら私なんだって出来、、よ?」
少女は家に入る瞬間下半身が吹き飛んでいて激痛が走りながらも頑張って辿り着いた。
だが元からベットに眠るおばぁちゃんは永眠していて起きる事は無かった。
「世界全てが戦争をしています、、根源はサールァナイト王国だと判明いたしました。優ちゃん、、貴方が生きていたらこの状況どうしましたか。私は死にたくなります。」
空を飛ぶ一国を覆う程の大きな白い乗り物にある牢屋から華也は窓の外を見て笑いながら独り言を呟いた。
「浅墓 華也様、、そろそろ私共に指示を下さいませんか?」
牢屋の外から来た金色の長髪の男は華也にそう願った。
「来れたのですね、桜君。褒美に指示をあげましょう、私の手錠を解いてから私と共に5分後に菜ちゃんと合流して下さい。そしてそれから6分後に各々が、善良だと判断した民のみを助けて下さい。善良ではない者は殺しても構いません。」
華也はずっと笑っている。
「了解しました、、私共は信じています。私共をあの組織の檻から助けて頂いた貴方様が見る世界を、貴方様が実現してくれるのを。」
華也は返答せず笑顔だった。
「華也様、手錠取れました。まずは組織の艦から離脱しましょう、ついて来て下さい。」
桜月の言葉に華也は笑顔で首を縦に振った。
「ところで桜君、率君と雀ちゃんはサールァナイト王国に潜入に成功しましたか?」
「それなんですけど、、率鮫は雀井を守る形で失敗し雀井は庇われた身なので死刑又は満月の日に処刑かと、、2人共電話も繋がらなくて、、。」
桜月は泣きそうになりながら歩いた。
「駄目ですよ、何で死ぬんですか、、私がいる限り死んじゃ駄目ですよ、、何で皆死ぬんですか、私は死神ですか、、どうしてでしょう。」
華也は一瞬凄まじい程の殺気を纏い笑顔を忘れていた。
「あ、あの、華也様?」
笑顔じゃない華也様なんて始めてみた、、。
「ごめんなさい、桜君。もういいです、1人で菜ちゃんと合流して下さい。」
笑顔は戻っていたが今まで以上の圧がそこにはあった。
「 駄目ですよ!華也様の事ですからサールァナイト王国を滅ぼそうとして、、」
「桜君!、、これはお願いじゃないんです。命令、なんですよ?」
言葉を遮った華也の一言に桜月は何も言えなかった。
「 止まれ!動くな、脱獄囚!」
声が大きかったからか大勢の組織の黒服をつけている重装備の人と白服をつけて大勢の前に1人立つ男が居た。
「っ栗君、、やはり幹部になれたんですね。」
何で華也様はこの状況でも笑ってるんだ、、白服って事は幹部じゃないか、、華也様より実力が上って事だぞ、、でも私は死んでも家族を助けてくれた華也様を裏切れない!
「華也様、前私に言って下さいましたよね、「死とあらば命を全うして生きましょう」って、私の人生の今の命は華也様を守る事です!私を置いて逃げて下さい!」
桜月が華也にそう言うと幹部長の栗原は笑った。
「あははは!笑えるなぁ、、存在が不気味と言われる元副幹部長が今や新しい部下に信頼されているとは、、そこの、、確か桜月さんでしたっけ、華也は大勢を殺した殺人鬼だぜ?」
その時栗原の肩を桜月が撃ち抜いた。
「それを承知の上で私共は華也様の味方ですよ馬鹿さん。馬鹿さんは知らないと思うけどさ、俺達も全員元組織の人間!殺人鬼なんですよ!」
栗原は油断していたのか肩に直撃をくらい膝をついた。
「ぐぁぁぁあ!っやはり銃を持っていたか!だが華也だけ殺せば俺の目的は、、っいない!どこに消えた!華也!」
「気づきませんでしたか?もしもの時に別ルートあるんですよ。」
「そんな馬鹿な、、組織のセキュリティは甘くない筈だ!」
「私達の技術者が1枚上手なだけです、、どうかお元気で、華也様。」
「っそうかよ!皆、脱獄囚を撃て!」
栗原は肩を抑えながら命令した。
すると黒服の人達が銃で撃とうとすると黒服全員の心臓に穴が空いた。
「ごめーん、遅くなったね、お兄ちゃん!でも華也様の無事は確認出来たし咲月超有能!」
低身長の女の子が腕に銃をつけていた。
「は、、?何でここで敵の増援、、」
そして白服の男も頭を撃たれて死んだ。
「来るの遅すぎですよ、咲月。でもお兄ちゃんは妹が格好良すぎて感動しました。」
「でしょ〜!咲月、華也様とお兄ちゃん守れるくらい強くなったんだー!でもお兄ちゃんは殺しというより情報とか技術系だからお兄ちゃんの方が格好良いよ!」
「お兄ちゃんをこれ以上感動させないで下さい、咲月。まぁ早く脱出しましょう。」
「うん!早く菜乃さんの所行こ!案内して、お兄ちゃん!」
2人は仲良く笑いながら歩いて組織の艦から脱出した。
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