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第四章 16

「もう・・・貴方って人は・・・・子供にまで気を使えるのね」

「子供の成長したのが俺だからな。ほんの少し・・・本当に僅かなだけど、子供の気持ちを解することはできるよ」

「・・・だから貴方って、時々凄くかわいいのね」

「あれ? 本の作者に対しては、子供っぽいのは気持ち悪いとか言ってなかったか?」

「あれは子供っぽいのがおかしくて、貴方の場合は子供だからだいじょうぶよ?」

「否定できないのが悲しいな」

 そういいながら男は反対の表情をしていた。そうしながらもう少し歩いていくと、目指していた場所が見えてきた。

「っと、あそこだな。もう飛ぶのは禁止な」

「ええ~っ!!」

「母親と父親に会いたくないのか?」

「・・・・あいたい」

「だったら、ちゃんといい子にしろよ?」

「・・・うん」

「よかったわね。もう少しよ?」

「うん」

「なんでお前には即答なんだ?」

「・・・どうしてかしら?」

 着いた後は事情を説明し、コールしてもらって親が来るまでの間は話し相手をしていた。すっかり懐いた子供が、親の来るまでに二人と別れるのを嫌がったからだ。そのため、二人はもうしばらく子供の相手をすることとなり、迎えが来ればめでたくお別れとなった。迎えにきた両親は男よりも年若い夫婦であり、そこを年齢基準とすれば、子供が外見で男をおじさん呼ばわりし、自分をお姉ちゃん呼ばわりするのは仕方がなかった。

 両親は真面目な感じの人たちであり、二人に何度も丁寧にお礼を言っていた。だから、この子は素直でいい子になるだろうと少女は思った。別れ際に子供は二人に向かって手を振っていた。だから、二人も手を振り返して見送ったのだった。

 こんなことをしている間に気づけば夕方となり、冬場ということもあって日は暮れていた。

「はあ~、やっと乗れたな」

 予想通り観覧車はある程度待つ必要があった。それでも対して待っていないので、この疲労は慣れないことをしたことによるものだった。

「子供の相手もやっぱり疲れるな~・・・・」

「ふふっ! そんなこといいながら、面倒見は凄くよかったじゃない。係りの人に『お父さんじゃないんですか?』って、言われていたものね」

「それを言ったら、お前も母親のようだと言われていたじゃないか」

「そうね。まるで・・・・」

 そこで少女の言葉が止まる。何を意識しているのかは手に取るように分かった。

「ね、ねえ・・・わたし達って恋人だけじゃなくて・・・・その、か・・・『家族』! にも、なれるのかしら・・・・?!」

 顔を赤くしながら、しどろもどろに話していた。

「まあ、落ち着けって。いきなりそう考えなくても、今は恋人としての時間を楽しめばいいだろ?」

「『今は』・・・なのね。ふふっ・・・じゃあ、いつかは・・・・・・」

 嬉しさと悲しみが混じったような顔をさせてしまう。そろそろ時間を意識させる言葉は、使うのを止めた方が良かった。

「・・・それより外見てみろよ」

「外を・・・?」

 頂上を目指して上がっている観覧車から、下の景色を見てみる。すると、暗闇に灯る園内の光が、イルミネーションのように輝いていた。それは近くにも、遠くにもあり、視界の多くを光で占める姿は不夜城のようであった。

「・・・光が、とてもきれいね」

 その光に呼応するかのように、少女は金色に輝く瞳を細めていた。細められた綺麗なそれは、闇夜に浮かぶ儚げな三日月のようだった。

「お前も十分に綺麗だけどな」

「本当かしら・・・?」

「本当だって」

「・・・ありがとう。一緒に外の景色を見ましょう?」

 席を対面側に移して座り、同じ方向から外を見ようとしたら、なぜか少女が立ち上がる。

「なにして―――だっ?!」

「一緒にって・・・・言ったでしょ?」

 男へと振り向きながら、どことなく小悪魔的な微笑みを浮かべていた。

「だからって、俺の上に座らなくても・・・・」

「・・・重たい?」

「いや、そんなことはない。思った以上に軽くてびっくりだ」

「じゃあ、だいじょうぶ・・・?」

 そういって少女がゆっくりと男に背を預けてくる。それはつまり、膝上に感じる少女の柔らかさを強く感じることになった。そんな姿勢で外を見ようとして、バランスを崩しそうになったところを思わず抱きとめる。少女は男がそうしてくれることを信じていたので、驚くことなく抱かれた。

「バランス悪いからやめた方がよくないか?」

「・・・そうね、だったら」

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― 新着の感想 ―
迷子の子供を助けて、まるで家族…いつかは、のう?そのいつかが来ることを祈るわい!観覧車では更に密着する2人じゃな、続きはどんなに甘いのか甘々なデート模様をまた続き楽しませてもらうわい!
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