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第二章 11

「それじゃあ・・・・彼女さん? どうしたの?」

 男を見送って、残された少女を見るとその視線が上を向いていた。特に服はないのだが・・・。そんなことを思っている間に少女が視線を落として女を見てくる。

「・・・ごめんなさい、大丈夫よ。それじゃあ、お願いするわ」

 少女をパジャマがあるほう―――店の奥―――へ連れて行く。そこで服を見繕うのだが・・・・

「かわいい娘は何を着ても似合うってホントなのね・・・・」

 自分が考える限りの服、その全てを問題なく着こなす少女のポテンシャルにただただ呆れる。初めのうちは美少女の着せ替えを楽しんでいたが、考えず適当に選んでもかわいいということに気づいてからは、それはもう苦行でもあった。

 全てが問題ないということは、ぶっちゃけて言えばどれでもいいのである。どれでもいいということは、ある意味解答がないのと同じだ。

 どれでも、少女が着ればかわいくなる。女が考えて選んだ服も、そうでない服も同じレベルでかわいいと思わせる・・・・そんな反則な存在だった。

「・・・よく言われるわ。『お客様は何を着てもお似合いですね』って・・・・だからわたしは何を着たらいいのかわからないわ・・・・」

 一見自慢にも聞こえるが、実際にやってみるとそれ以外の言葉が出てこないので、逆に耳が痛かった。全部が高レベルで平均ということは、一番がないのである。一番がなければ考えること自体が馬鹿馬鹿しくなり、興味をもつことができなくなっても仕方がないだろう。

「あ~・・・じゃあ、彼氏さんの好みはどんなのですかね? それに合わせて選びましょう」

 なぜか少女には丁寧に話しかけてしまう。よく分からないが、自然とそうなるのでそうすることにした。

「彼は・・・あまり肌がでていないのが好きみたい」

「ふんふん。何かそういった服を着たときに好きだったと?」

「ミニスカートは目のやり場に困るとか言っていたわ。あと、胸元が開くのもそういっていたわね。脇が見えるのも・・・けしからん? そんなことを言っていたわ」

「それって・・・単純に彼女さんをそういった目でみてしまうからじゃあ・・・・・」

 その言葉に少女が反応する。

「そういった目って・・・・やっぱり・・その・・・・・」

「本能的な雄の目ですよ。まあ、そういったところを刺激するものでもあるわけだから。アボリジニなんかは普段は半裸だけど、女性が男を欲情させるときには服を着るとかいうわね。今はどうか知らないけど。脱ぐのではなく、着てそういう気持ちにさせることもあるらしわ。まあ、いわゆる普段からのギャップってやつね。そういった非日常な状況がそういった感情を引きずり出す。そういうこともあるっていうことです」

 女の言葉に少女の顔がわずかに赤く染まる。初な反応に、見ているこちら側のほうが正直恥ずかしかった。

「で、彼女さんとしては彼にそういった目をされたいですか? されたくないですか?」

「・・・わからないわ。そういう風に見られるのは恥ずかしいもの」

「―――じゃあ」

「でも、そういう風に見られるのもどこか嬉しくて・・・・これって、なんなのかしら?」

「・・・うーん、彼女さんとしては彼が迫ってきた時にどうするつもりですか?」

「彼がそうしたいというのなら、わたしはそうされるだけよ? 彼にならそうされてもいいと思えるし・・・・・」

「それが答えってことじゃないんですかね・・・・?」

「えっ?」

「ぶっちゃけていうと、彼に襲われたいんじゃないですか?」

「そんなこと・・・・ない・・・・・・・・はずよ・・・・・・・・・たぶん・・・・」

「まあ、今のは極論だけど・・・・つまり彼女さんは女として見られたいわけですね?」

「・・・・かわいい女って言ってくれるわよ?」

「『かわいい』と『女らしい』は別物ですよ? だから、女として彼氏さんを誘惑してみたいわけじゃないんですか? 『あなた・・・わたしを抱きたいんでしょ?』な感じで、逆に迫ってみたいな~とか」

「そ、そんな言い方しないし・・・・迫ったりなんかもしないわよ・・・・・きっと・・・・・」

「まあ、話をもどして・・・・とりあえず、ある程度彼氏さんに意識されたいってことでいいですか?」

「そ・・・れは・・・・・」

 黙り込む。沈黙は肯定としてとらえられた。

「はい、じゃあ決定。ぐずぐずしていても仕方ないから決めますね」

「でも・・・・」

 こういう決められないのにはこっちがスパッと決めてやらないといくらでも時間がとられてしまう。だからこそ強引にでもまとめに行く。

「でもも、ヘチマもゴーヤもないです。彼氏さん待たせるわけにはいかないでしょ?」

「う・・・・っ」

 男を引き合いに出すと簡単に少女が黙る。あの男のどこがそんなにいいのか? やはり恋は盲目であると思う。が、今このときは都合がよかった。

「で、参考までに普段の寝間着は何かしら?」

「・・・ないわ」

「はいっ?」

「ないから・・・・下着で寝てるの」

 寝間着がないとはどういうことか? いや、そもそも何か着て寝なさいよとか言ってやりたいが、あまりにも突拍子すぎて言葉がでない。あまりにも意味が不明過ぎた。

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― 新着の感想 ―
もう下着で寝ているのじゃから、襲う襲われるはクリアしているのではないかのう?下着で寝れて、寝間着で恥ずかしいって何じゃろうな?それにしても、なんでも似合うとは凄いのじゃ!とっても可愛い少女ちゃんじゃな…
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