第一章 8
「それより、貴方意外と女との付き合いあったのね・・・・」
「リア充と呼べるほどじゃないがな・・・・後、俺はもう三十も半ばのおっさんだ。少なくとも若くはない」
「じゃあ、ダメね・・・・何の意味もなかったわ・・・・」
「いやまあ、いいものは見れたがな・・・・」
「どんな・・・?」
「抱きしめたくなるくらいかわいいお前を見れた」
「・・・作り物なのに?」
「関係ない。俺がかわいいと思ったら、それが俺の本物だ」
「よくわからないわ・・・」
「まあ、そんなことより食べようか。ありがたく頂くよ」
「んっ、召し上がれ。残しちゃいや・・・よ?」
「・・・・ああ、ちゃんと食べるからそんな顔するなよ」
「そんな顔といわれても・・・・私にはわからないわ」
そうして二人は静かに食事を食べていく。
「はい。コーヒー・・・今度はミルク無しよ」
食事の後片付けを終えた少女が、今度こそ男の望みのものを出す。
「あ~、やっと一日が終わった気がする・・・・」
鼻腔をくすぐる香ばしさに癒される。
「しかし、お前本当に料理がうまいな」
「別に、レシピ通り作っているだけ」
少女も朝のように男の斜め向かいでコタツに入り、ミルクをちびちびと飲んでいた。
「そうだとしても、それをちゃんとやりきるのが大したもんだ。俺は面倒過ぎて無理だ」
「貴方の場合、元々食事に対する興味がないからじゃないの・・・?」
「・・・否定できないな」
「わたしが来るまでの貴方の食生活は、カロリー以外はサプリメントでの摂取だったわね・・・」
「文明の利器ってやつだな。まあ、おかげで栄養失調にはならずにいけていたさ」
「でも、それは自然じゃないわ。歪な生活よ」
「ぐうの音も出ない」
「・・・ねえ」
「んっ?」
「わたしは・・・・貴方の役にたっている?」
「ああ、十分な」
「・・・本当に?」
「お前も変に疑り深いな」
「ごめんなさい・・・・」
「お前がこうしてそばに居てくれている。それだけで俺がどれだけ救われていることか・・・」
「どうして・・・? わたしは貴方を―――」
「何度でも言うが、それはお前のせいじゃない。そういう流れが悪いだけだ。そこにお前が気を病む必要はない」
「・・・・貴方の優しさが時々わたしには痛いわ」
「お前の悪いところがあるとしたら、すぐに暗くなることだな」
「わたしだって、なりたくてなっているわけじゃないのよ・・・?」
「だから俺は無理やりにでも明るい話題に変える。で、俺の本読んでて面白いのか?」
「えっと・・・ごめんなさい・・・・わからない・・・わ」
「はい?」
「だ、だって・・・・どこをどう楽しめばいいのか・・わからないもの・・・・」
「えーっと、じゃあ何か一話ごとの感想でも教えてくれないか?」
「感想・・・? だったら、どうしてあんな作品を考えたのかしら?」
「ああ、やっぱりお前作者のあとがきとか見ていないんだな」
「どうして? 作品の中に書き手の考えがあるのなら、それ以上読む必要はないと思うのだけれど・・・」
「だいたいそういったところに、書ききれない考えや、裏話があったりするんだよ。例えばソウハ・・・創破神世でいけば、あれは作者が大学時代の講義で着想を得たものだ」
「そうなの?」
「ああ。能力や敵あたりはその時に考えたって書いてたよ」
「あの頭の悪い四文字タイトルも?」
「そこは言ってやるな。作者は慢性中二病だからな」
「中二?」
「中学二年生が考えるようなことを、ずっと引きずっているっていう意味だったはずだ」
一度、互いに飲み物に口をつける。
「子供のような考え方・・・・だから読んでいて気持ち悪いのね・・・・・」
「酷い感想だな・・・まあ、それも一つの考えだがな」
「むしろ、貴方はどう思ったの?」
「俺か? 俺はまあ読んでて普通に楽しかったよ」
「どういったところが楽しいの・・・・?」
「そうだな・・・黒髪男と赤髪女の掛け合いとか好きだな。少し、俺たちと似てないか?」
「えっ?」




