<<プロローグ ~孤独な二人~ 少女視点>>0
わたしは上手く馴染めなかった。
だから、一人でいた。
別段苦労することもないし、周りは周りでわたしはわたしだから・・・
そこに一抹の寂しさがないと言えば嘘になる。
だけど、私はもう諦めてしまった。
何かを期待することも・・・
誰かに理解されることも・・・
役割を果たせば果たすほど世界は絶望に染まっていく。
人が私に喚き散らす。
人が私を憎悪の眼差しで見てくる。
死神とも悪魔とも言われた。
その他、心無い言葉を数えきれないほど叩き付けられた。
やがて、信じていたものは壊れ、色づいていた世界も褪せていく。
初めの色が何であったのかが分からなくなるくらいに・・・
終わりのない世界に終焉をと願う。
叶うことのない願いなのだけれど・・・
太陽が巡る度に心が渇いていく。
月が巡る度に感情が薄れていく・・・
壊れながら日々を過ごしていった。
決して戻ることのない壊れゆく世界で、独り過ごすしかなかった。
そんな中、私は彼と出会った。
『恋人』にならないかと彼は言った。
理解できなかった。
絶望で頭が狂ったのかと思った。
でも、そうじゃなくて・・・・もっと別の、何かがあるようだった。
変な人だと思った、でも何故か頭は彼のことを考えていた。
彼はどんな人間で、どんな風に生きてきたのだろう?
そう思ったら、自然と頭を縦に振っていた。