表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/7

護衛対象

「黒板に席順が書いてあるから、それを見て座ってくださいね!」


 ミラの席は窓側の一番うしろの席だ。


(全体が見渡せる席だね。いい席を選んでもらえたな)


「席、離れちゃいましたね」

「仕方ないさ、先生方が決めたことだから」

「じゃ、また後でね」

「ああ、また後で」


 エルフはとにかく目立つ。耳は三角だから。


(人族の貴族さんは異種族を嫌うやつが多いからな〜。ま、何もしてこなきゃ、どうってこともないさ)


 ミラは余裕の笑みで席に座った。全員が席に座るまで、特にやることもない。


(護衛対象の位置を把握しておくか)


 まず、皇太子と未来の皇太子妃は中央に二人並んでいた。


(仲が良さそうでなにより。というか、皇太子がぞっこんだな。婚約者が可愛いのは分かるが、嫉妬丸出しはどうよ?)


 まあ、その婚約者は何もわかっていないようだが。一方通行か?そこは知らないけど。


 次に見つけたのは騎士団長の息子。廊下に近い席で前の方だ。


(彼が一番遠いな?何かあれば、すぐにでも駆けつけなければ、首が飛びそうだ。物理で)


 そういえば、『鼻をボキボキに折ってきてほしいな』と言ってたな。どれぐらいの実力で、天狗になっているのだか。


 濃紫の髪のそっくりの双子が近くの席に座った。


(彼らがイカれた野ろ……魔法庁長官の息子と娘……)


 容姿は似てるが、性格はにないでほしいな。切実に。


(クソ宰相の息子が見当たらないね?どこにいるんだか?)


 見つからないまま、自己紹介が始まった。


「さっき、紹介がありましたが、僕はリシ・サラシオ。教科は生物学。じゃ、前から順にいきましょう!」


 すぐにリリーの番が来た。


「リリー・アイランです。よろしくおねがいします!」

「君が『聖女』?了解。次のひと!」


 ま・じ・か!まさかの聖女さま。ん?護衛対象なのか?教会からの預かりもの?クソ宰相、説明しろ!まあ、いい。勝手に護衛しておこう。


 ミラはリリーの正体に驚きながらも、次々に紹介される名前を記憶の中の情報と照らし合わせていた。


「ミラ・ゼネルです。種族は違いますが、同じように学習したいので、よろしくおねがいします」


って、これ、前も同じこと言ったよな〜。


「君が特待生かな?把握しました」


 ザワッ。これも、同じ。てか、いつ、試験問題を解いた?


(あ、クソ宰相の呼び出しからの監禁状態でやった書類か!あいつ、許さん!)


「静まれ〜。次に進まないと!時間がないですから!」


 リシ先生の声掛けにより、教室内のざわつきは無くなった。


「オーディス・フォーネス。よろしく」


 クソ宰相の息子はまさかの、お隣。メガネをかけて、いかにも『真面目です』って感じ。


(似てねぇな。奥方に似たか?色は宰相だな)


 ま、変に近づかず、のんびり様子見るか。人の青春を見るのもんだな。


 ミラは先生の話を聞きがてら、教室中に目を光らせた。

読んでいただき、ありがとうございます!

感想や評価をしてくれたら、嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ