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「え」「え?」「ん?」
「だはー、残念!ところで……誰でしょう」
槍桜は優と旧知の中みたいな会話をしていながら挨拶もしてない事に気付いたらしい。
マイペースな男だ。
「星乃優。……それ以上は知らん」
「え、なになに。今日初めましてでこんな親しげなの?妬けちゃう〜」
「キモイ」
「面白いねぇ、君」
「野薔薇姫、今褒められた?俺、褒められた?」
「馬鹿にされたんだよ、馬鹿」
「あ、そう。でも野薔薇姫が女の子と楽しそうにしてるとはね〜」
「え」
「え?」
「ん?」
しまった。つい聞き返してしまった。
槍桜ですらちゃんと女の子と認識できたという事に疑問を持ってしまった。
槍桜は変な目で見てくるし、優に至っては笑顔が怖い。
「んんん?どうしたのかなぁ、野薔薇姫」
ずいっと顔を近づけて姫とわざわざ強調して聞いてくる。
余程不服だったらしい。
冷や汗が止まりません。