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言葉使い
「優は女の子らしくなりたいの?」
「うっせぇな、悪ぃかよ」
ワイルドだ。
女の子らしくって、お淑やかさとかじゃないんか?
少なくとも机に肩肘置いて顎乗せて、足を組んだりしないよな。
様になってるけど。
「言葉使い直したら?」
「あー、ちびっ子の時からこうだから中々……」
「どんな幼少期をお過ごしで」
「さあ?覚えてるか?そんな事」
「覚えて……うっ、おぞましい記憶がががが」
「……なんかすまんかった」
記憶に蓋をしているおぞましい過去がじわりと蘇って来た。俺の見た目は今でこそ普通にそこら辺にいる有象無象に紛れているが、幼い頃はそれは可愛がられた。
トラウマが残るぐらいには。
そうこうしてるうちにチラホラ教室にも生徒が入り始める。
結構話し込んだみたいだった。
女の子と話してるのに緊張もないし、妙にウマが合った気がする。