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挨拶
「あ、待ってね」
そう言って荷物を全部もってる俺を締め出した。
締め出したってよりかは取り残された。
「お、おかえりなさい」
再び玄関が開けられて、少し恥ずかしそうに優が期待を込めた目をしている。
分かってる。
「はぁ、ただいま」
キラキラとした目が眩しい。
家に人はいないと言った。
それは両親が留守ということで、それが日常的なんだろう。
優は家に居るのに挨拶が帰ってこない生活が普通となっているんだろう。
だから必要に「ただいま」「おかえり」をちゃんとしたかったのかもしれないな。
今にも飛びつきそうな優に片手に荷物を一瞬持ち替えて開けた手で頭を無造作にクシャクシャにしてやった。




