第一四話「夕飯はラーメン以外がいい。でも、料理は作れない」
――とまり＠ソロキャン中：両神温泉薬師の湯というのにはいってきましたよ、旦那方。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：誰が旦那方だよ！
――ハルハル＠おやすみ中：温泉、気持ちよかったー？ 気にいったなら建物ごと買い取るよー
――とまり＠ソロキャン中：なんでやねん。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：ってか まだ一四時だぞ 風呂には早くねー？
――とまり＠ソロキャン中：ほむ。暗くなるの早いから、早めの行動がいいのだよ。やれやれ。これだから素人は困る。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：おまえも素人だろうが！
――とまり＠ソロキャン中：ちなみに、風呂は気持ちよかったけど、ポイントはそこではありませんよ、旦那。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：まだ旦那が続くのか
――とまり＠ソロキャン中：そこでかるく食事できるところがあるんだけどさ、味噌ポテトってのがあるんですよ、旦那。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：ほうほう
――ハルハル＠おやすみ中：おいしいの？
――とまり＠ソロキャン中：おいしいの、おいしくないのって。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：どっちだよ！
――とまり＠ソロキャン中：おいしいに決まっているじゃないですか、旦那。
――とまり＠ソロキャン中：単純な中に、新しい美味しさを見つけました。
――ハルハル＠おやすみ中：そうなの？ それなら今夜、うちのコックに作ってもらおうかしら
――とまり＠ソロキャン中：上にかける味噌で、お菓子っぽくなったり、おかずっぽくなったりするのでいろいろ試してみるとよさそう。
――ハルハル＠おやすみ中：なるほどね。なら、塩をかけて食べてみるわ
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：それじゃあ 味噌ポテトじゃねーし！
――とまり＠ソロキャン中：ただのフライドポテトだな。
――ハルハル＠おやすみ中：あら、そう。なら意表ついて、ケチャップとかかけてみようかしら
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：「意表」とは？
――とまり＠ソロキャン中：味噌ポテト、味わう気が最初からゼロだろ？
――とまり＠ソロキャン中：まあいいや。それよりも旦那方にご相談したきことがこざいまして。
――とまり＠ソロキャン中：朝、ラーメン食べちゃったんで、夜は麺を避けたいのです。どーしたらいい？
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：そんなの素材を買ってきて 自分で調理すればいいじゃんか
――とまり＠ソロキャン中：ほむ。それができないから相談しているとわからぬのか。
――とまり＠ソロキャン中：ちなみに調理器具は、コンロとヤカン。調味料もなし。以上。
――ハルハル＠おやすみ中：考える余地もなさそうねー
――ハルハル＠おやすみ中：近所のお店から出前を取ったらどうかしらー？
――とまり＠ソロキャン中：ほむ。キャンプ場から出前を頼むの？
――ハルハル＠おやすみ中：ええ。ラーメン屋ならラーメンの出前とかやってるのでは？
――とまり＠ソロキャン中：結局、ラーメンかよ。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：なら コンビニで弁当とか買えばいいじゃん
――とまり＠ソロキャン中：弁当か。カレー弁当とか買えば、キャンプの雰囲気でるかな。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：ああ だったらさ パックご飯とレトルトカレーを買ってお湯で温めたら？
――とまり＠ソロキャン中：小さなヤカンでそれをこなすのは至難の業。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：閃いた！ カレーメシ！
――とまり＠ソロキャン中：ほむ……晶、きみは天才だな。採用。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：イェーイ！
――ハルハル＠おやすみ中：（カレーメシがなんなのかわからない顔）
――とまり＠ソロキャン中：ググレカス。
――ハルハル＠おやすみ中：とまとま、冷たい……
――ハルハル＠おやすみ中：こうなったらー、本日の夕飯、コックにカレーメシを作らせますわー
――とまり＠ソロキャン中：コックの意味がなくなるからやめろ。
――とまり＠ソロキャン中：あ、そうだ。
――とまり＠ソロキャン中：晶、帰ったら少し、料理を教えてよ。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：おお
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：とまりん その気になったか？
――とまり＠ソロキャン中：さすがにキャンプ場でなにも作れないのは寂しかった。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：焼肉なら簡単じゃん
――とまり＠ソロキャン中：現地で仕入れた野菜とかも添えたい。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：添えればいいじゃん
――とまり＠ソロキャン中：というわけで、包丁の使い方からお願いします。
――とまり＠ソロキャン中：あ、野菜の洗い方とかも。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：そこからかよ！
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：料理的にはまずは鍋物から挑戦かな～
――ハルハル＠おやすみ中：というかー、とまとま、まだキャンプに行く気なのねー
――とまり＠ソロキャン中：ほむ。せっかく始めたしね。
――とまり＠ソロキャン中：もう少し続けてみるつもり。
――ハルハル＠おやすみ中：そんなに楽しいのかしらー？
――とまり＠ソロキャン中：そんなに楽しくはないな。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：楽しくないのかよ！ｗｗｗ
――とまり＠ソロキャン中：ぶっちゃけ、いろいろ大変だし面倒なので、楽しいことはそれで打ち消されてしまうかも。
――ハルハル＠おやすみ中：それはそうよねー。一人で全部やるなんて面倒そうー
――とまり＠ソロキャン中：でも、また行く。
――とまり＠ソロキャン中：理由は書けないけど。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：書けないほどエッチな理由か？
――とまり＠ソロキャン中：違うわ！
――とまり＠ソロキャン中：書くと陳腐になりそうだからだ。
――ハルハル＠おやすみ中：小説家なのに表現できないなんて、とまとまったらー
――とまり＠ソロキャン中：小説家だからこそ書けないこともある。
――とまり＠ソロキャン中：まだ味わいきれていないから、表しきれない。そのために続けてみるよ。
――ＡＫＩＲＡ＠食休み中：とまりんが なんかプロっぽいこと言った！
――とまり＠ソロキャン中：一応、プロなんだけど……。
――ハルハル＠おやすみ中：でも、そーいうこと言うのは珍しいわねー
――ハルハル＠おやすみ中：明日はきっと、雷おこしが降るわねー
――とまり＠ソロキャン中：なんでだよ。
――とまり＠ソロキャン中：浅草の土産屋が潰れるわ。
――とまり＠ソロキャン中：というわけで、コンビニ探してカレーメシを買って帰ることにする。では！
（さて。コンビニを検索……。あ、スマホのバッテリーやばいな。モバイルバッテリーは多めに持ってきたけど……。やっぱＡＣサイトの方が安心だな）
キャンプ場によっては、サイトで家庭用のＡＣ一〇〇ボルト電源が使える場合もある。
ただし、電源が使えるＡＣサイトは、ＡＣなしサイトよりも高くなる場合が多く、また人気も高いので予約が埋まりやすい。
（でも、次回はＡＣサイトを予約してみよう……）
電気を使うなんてキャンプらしくないといわれるかもしれないが、やはり便利なものは便利だし、ＰＣで執筆している泊にとって電力は必需だ。
（あった、コンビニ。わりと近いな。ってか、町が近い。そっちまで行ってガソリンもいれて、お菓子でも買ってこよう。なんだか、ポテチが食べたくなった……）
泊はバイクにまたがる。
本当の意味で、今日の夜が初ソロキャンプ。
昨日は思いがけないシチュエーションになったけど、それはそれで執筆が進んでくれた。
これから買い物を済ませて戻ったら、寝るまで執筆に時間が使える。
しばらくウェブ小説の連載は安泰だろう。
（ほむ。刺激があるのはいいな……）
そう思ったあと、ふと昨夜、自分は男の人と二人きりで寝泊まりしたという事実を思い返す。
そしてあのドキドキした刺激まで蘇る。
このことだけは、さすがに親友二人にも話すことはできない。
ちょっとした冒険のような思い出。
（……ソロさんにも、なにかつまみでも買って帰ろう）
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※参考資料：話に出てきた物の写真等が見られます。
http://blog.guym.jp/2018/12/scd001-14.html
