表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

彼女と私は双子ではありません

はーちゃんとしーは双子じゃない

作者: 雷ライ

《彼女と私は双子ではありません》の白雪目線のお話です。

読んでいないと分からないと思います。


タグを見てダメなのがある人は読まれない方がいいと思います。


タグの付け方がイマイチわかってないので足した方がいいのがあった場合は教えて下さい。


誤字脱字に注意してください。

嫌な表現があります。


そのほかを含めてなんでも大丈夫な方のみお読みください。

はーちゃん、はーちゃんだーいすき。


しーのことだけ大切にして。


あっくんも、お父さんも、おじいちゃんたちも

大切にしなくていいから。


しーのことだけ見て。







お母さんが亡くなる前まで


「三つ子なの?可愛いわね。上の2人はお父さんに似てるわね。末っ子はお母さんに似ね」


家族5人で並んでいるとこう言われることが多かった。


しかし、お母さんが亡くなってからは


「1人だけ顔違うわね」


とお父さんとあっくん、はーちゃんと並んでいると

しーだけ仲間はずれのように言われることが増えた。


でも、こう言われるたびにはーちゃんが


「もー!よく見て!確かに私と白雪は目元は似てないけど唇と鼻の形はそっくりなの!」


しーと同じことを自慢するかのように言い返してくれた。


お父さんの海外転勤が決まったときともしーが行きたくないと言ったら、一緒に残ってくれた。


きっとこの頃からしーにとってはーちゃんは絶対的な存在になった。


おじいちゃんの家に住むようになりあっくんがいなくなってから、はーちゃんとしーは比べられることが増えた。


勉強も運動もはーちゃんは平均的にできた。


面倒くさがり屋だが、頼まれると断れない。


勉強も運動も苦手で、誰かに甘えて面倒をみてもらっていたしーとは違った。


そんなはーちゃんの周りには常に人がいるようになった。


クラスも別になり段々とはーちゃんの一番そばにいるのがしーじゃなくなっていくのを感じた。




そんなの嫌。


はーちゃんの1番はしーじゃなくちゃいけないの。



誰にも譲らない。



どうすればはーちゃんの周りから人がいなくなる?


どうすればはーちゃんの1番になれる?


どうすればはーちゃんはしーのことだけ大切にしてくれる?



気がつくとそんなことばかり考えるようになおり、1つの答えを見つける。



そうだ、はーちゃんが嫌われたらはーちゃんの周りから人はいなくなるし、しーだけがはーちゃんに優しくすればしーは、はーちゃんの1番になって大切にしてもらえるかもしれない。


幸い、おじいちゃんとおばあちゃんはお母さんに似てるしーの方を大切にしてくれる。


あとはそれを決定的にして、学校からもはーちゃんを孤立させれば完璧だ。



はーちゃんを独り占めできる。


しーにとってはこの世で最も魅力的なことだった。



迷わずこの作戦を実行し、成功させた。


はーちゃんはしーをいじめる悪いお姉ちゃん。


他人の悪口ばかり言って、自分のダメなところは直そうとしないワガママな子。


そんなイメージをつけることができた。




これではーちゃんはしーだけのものになるって思っていた。


思っていたのに。




なんで!


はーちゃんはしーのことを避けるの?


どうしてそばにいてくれないの?


しーに笑いかけてくれないの?




作戦は成功したはずなのに結果はしーが想像していたものとは全くの別物になった。


しーから話しかけたり、抱きついたりすれば避けることはないし応えてくれる。


でも、はーちゃんから話しかけてくることや抱きついてくることはなくなった。




それでも今のはーちゃんに笑顔で話しかけてあげるのはしーしかいない。


そう思えばこそ耐えられた。





中学に進学してからも状況は一切変わらないと思っていた。




しかし、中学2年の春ある日を境にはーちゃんが家に帰ってくる時間が遅くなった。


はーちゃんと1秒でもながく一緒にいたいのに。


そう思ったしーはお友達に頼んではーちゃんの放課後の行動を調べた。


隠すつもりはなかったようですぐにある2人に行き着いた。


篠沢沙耶子しのさわさやことその息子の壱耶いちや


篠沢沙耶子は夫婦で洋食店を営んでおり、

篠沢壱耶は1つ上で隣の中学に通う。



この2人がしーからはーちゃんを奪おうとしている。


しーには見せてくれない笑顔をこの2人には見せていた。


はーちゃんはしーのなのに。


しーには笑いかけてくれないのなんであんな人たちには笑いかけるの?


絶対に許さない。






直ぐに引き離すために行動に移したが、なかなか思うような結果は得られず1年近くが過ぎようとしていた。


その日は珍しくはーちゃんが家のリビングにおり、なにやら冊子のようなものを見ていた。


後ろから覗き込むと高校の学校案内だった。


可愛い制服を着た女性が写っていた。


「この制服すっごく可愛い!はーちゃんこの高校いくの?」


はーちゃんとしーなら絶対に似合うであろう制服を目の前にして、しーはかなりウキウキしていた。


「その予定だけど……」


はーちゃんが頷きながら言う。


今日のしーは運がいい。


これではーちゃんの高校の第一希望がわかった。


しかも、はーちゃんに似合いそうな制服。


公立ではなくて私立。


はーちゃんは公立高校に進学すると思っていた。


しーの成績じゃ今から公立を目指すのは難しいから、最悪はーちゃんの進学先に近い私立高校に通う予定だったがここならしーが頑張れば同じ高校に通える!


「いいなぁ〜、しーもここがいい。こんな可愛い制服着て見たい!」


しーがそう言うとはーちゃんは一瞬びっくりした顔をする。


久しぶりに悲しそうでも無表情でもないはーちゃんが見れた。


今日は本当に運がいい。


「白雪の成績じゃ少し厳しと思うけど」


はーちゃんにはそう言われたが、しーにとってははーちゃんがしーのことを少しでも知っててくれることが嬉しい。


「何言ってるのはーちゃん!まだ中3は始まったばかりよ!おばあちゃんに頼んで家庭教師つけてもらうか、塾に行けば私だって行けるわよ」


しーはそう言ってはーちゃんが持っていた学校案内を借りて、おばあちゃんに交渉に行く。


おばあちゃんはしーに甘いから絶対に大丈夫だという確証があった。


実際に無事交渉は成功し、個別指導の塾に通えるようになった。


どうやらはーちゃんの志望先の高校には篠沢壱耶がいるらしいが、どうでもいい。


むしろ、しーがはーちゃんと同じ高校に通えるチャンスをくれたことには感謝したいぐらいだ。


はーちゃんと同じところに行くためなら勉強だって苦にならなかった。




一次募集では落ちてしまったが、二次募集でなんとか合格できた。


はーちゃんにはサプライズで黙っていた。


入学前登校で会ったときのビックリした顔は今でもしっかりと記憶に残っている。





はーちゃんとは同じクラスになれなかったが、クラスに馴染むのは簡単だった。


姉御肌なスポーツ女の子に、面倒見のいいお母さん系女子。


学年きってのムードメーカー男子に学年2位の秀才男子。


そして、学年トップでバスケ部の文武両道なイケメン。



しーの周りにいるのは学年だけでなく学校で有名な人気者たちばかりだった。




これから一年かけて彼らとの間に信頼を築いていこう。


そうして、絶対に篠沢壱耶からはーちゃんを取り返してみせる。


それまでの間、束の間の幸せだけどはーちゃんを泣かせたりしないでね。


はーちゃん、待っててね。


しーはしーのはーちゃんを必ず取り戻してみせるから。



《彼女と私は双子ではありません》はでの出来事はこの話の終わりから一年近く経った話です。




白雪の設定を少しいじりました。


白雪は病んでいます。


初雪だけが白雪の全てで、初雪の全ても白雪でなくてはいけないと思っています。


初雪に対して執着しており、初雪だけを愛しています。


しかし、白雪がこんなことを考えていることは祖父母も父親も、初雪と淡雪も誰も知りません。


壱耶と白雪は何回か接触しています。


互いに敵認定しています。


文武両道なイケメンは《彼女と私は双子ではありません》で初雪をやたらと責めていた健斗けんとです。


彼はバカではないので、白雪の異常さについて少しは感じ取っていると思いたいです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ