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風車  作者: 黎明
6/6

明日を見据え

ゆっくりと目を開けると、すっかり暗くなった大空が広がっている。

少年は飛び起きた。

軋んだ音を立てて揺れるブランコ。点滅を繰り返す街灯。たくさんの家の灯。

背中が痛かった。シャツを捲ると大きく形がいっている。

どうやら自分は公園のベンチの上で眠っていたらしい。

視界がぼやけている。慌てて、足元を探ると罅の入った眼鏡を見つけた。

放り出した通学鞄。散らかった教科書が目に入る。

そうか。現実に戻ってきたのか。ぼやけた頭と視界の中で漸く、少年は理解した。

眼鏡をかけると、そこにはありふれた日常があった。

額の傷をなぞる。

その瞬間、少年は思い出した。

「そうだ。たしかあいつらに殴られて・・・・。」

だんだん記憶がはっきりしてくる。

思い出したのは嫌な現実だった。

少年はいつからか、「あいつ」の取巻くグループから、いじめを受けていた。

机に落書きをされたり、毎日のように蹴られていた。それはあからさまないじめだ。

自分はなぜこんなところで寝ていたのか。

理由はしごく単純で、学校に行きたくないので、きっと現実逃避をしたかったからだ。


だから誰にも邪魔されない、孤独な世界を思い描いてしまったのだろう。

なら風車は何を示していたんだ?


少年は考え込んだ。

愉快な音を響かせ、勇ましくたっている風車を思い出した。


風車は何事にもくじけず、そそり立つ大きな山として少年の目に映った

前向きに、胸を張って生きていけってことなのか?


確信は持てないが、少年は嬉しくなった。


まだ望みを捨てていなかった自分がなんとも誇らしく思えてきた。

少年はにっこり微笑むと、荷物を纏めて、駆け出した。

巻き起こった風が庭先に刺さった風車を半回転させた。

風車みたいな軽佻な音でいつか、笑えるようになりたい。それは少年の切実な願いだった。

そのためにはもっと明るく生きていかなくちゃ。


美味そうな匂いがする。

今日はシチューかな?


「母さん、ただいま!」

少年の明るい声が、家中に響いた。

むりやり終わらせた感じあります?

自分は納得した終わり方が出来たとは思うんですが・・・

どうでしょう?

不満であれば黎明まで。

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