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プロローグ2 日記を書こう2

1月 火の3日 

【日記】

 ほんとに聞きたいんだけど1週間の曜日が分からない人なんているの?

中等部どころか初等部の1年生で習うことだよね?

なんでそこから講義が始まるのか?

しぶしぶノートをとりながら考える。


 今日は午前中から一般教養の講義を受けている。

しかし、それにしても、なんと不毛な、なんと無駄な講義であろうか。


一般教養、そう一般教養である。

異国の人間に対する考慮であろうか、この国で生きていくための一般教養から講義が始まっている。


だいたいにして西側でさえ同じ暦を使っているのだから、そんな考慮は一切不要、必要とすれば北部に住んでいる暦を使用しない蛮族くらいのものではないのか?

いや、蛮族が学園の高等部になど来るわけが無いのだからやはり無駄である。

本当に無駄である。


1週間が7日であることなど知らぬものがいる訳がない、誰もが知っている。

この1週間が7日というのは先史時代からそうであるためだ。

戦乱期の前の皇期の前の太陽王の時代のさらに前から1週間は7日である。

世の中が10進法で整備される前から1週間は7日である。

何度も書くが本当に無駄であった。


入学式が1月にあるのは新年の始まりが1月だからである。

当然だ。新年が1月から始まるのに、4月とか中途半端な時期にが入学式なんて行うわけがない。

折り返し月である7月?いやぁ、真冬に諸準備を行うのは大変なんじゃないだろうか。

やはり新しい1年が始まる月に新生活が始まってしかるべきである。


そうそう、一般教養の講師だが、カマルという取り立てて特徴も無いなんというか至極普通の男性であった。

歳もフィット講師やシークエル講師と同じくらいだし、背格好も中肉中背……やや痩せてるか?シークエル講師が痩せすぎているため普通に見えた。

声の高さも普通、ボリュームも普通、体臭は無かった。

なんだろう、今思い出そうとしても顔が浮かんでこないくらい特徴が無かった。



 そのカマル講師が次に語りだしたのは時計の見方である。

時計の見方!時計の見方である。

もういい、いいんだよ、1日を24等分し0時から24時(0時)まで、そこで次の日になる。


知っているともさ。

1年間が365日と決められてから1日は24時間と決まっている。

1時間は60分であるし、1分は60秒だ。

これもまた初等部の1年生で習ったことではないか。

9年も前のことだから、忘れちゃったかな?


忘れる訳ない。

毎日時計を見て生活しているのだ。

この教室にもかかっているし、時計の見方がわからなかったら、10時半から講義が開始するのをどうやって知ればよいのか?


 最後に安息日についての説明があり、本日の講義は終了した。

安息日については先史時代からあったものなので起源についての説は種々あるのだが、私は神代最終戦争終結日説を信じている。


はるか昔、先史時代のはるか昔、この大陸で神と悪魔との戦争があった。激しい戦争は幾星霜も続き最終的に負けた悪魔は封印され、勝った神もまたその傷を癒すため眠りについた。その戦争が終結した日を喜び、安息日とした。

何もしない日、家族で過ごす日だ。

この大陸を囲む海の向こう側にはその神々が眠りについているのだ……。

ここまで含めて、この説が一番ロマンがある説だと思う。


 『悪魔の斬撃山脈』

そう呼ばれている山脈がある。

大陸の中央に聳えたつその山脈により、この大陸は東西に分割されている。


それは、悪魔の放った斬撃によりできたと伝えられている。

大陸が乗っているプレートがどうのこうの言っている学者もいるが、その話にはロマンのかけらも無い。

いや、プレート論学者から言わせるとこの大陸は世界の100分の1程度の大きさだと言うから、その部分に関してはロマンがあるのかもしれない。

海の向こうにはこの大陸の100倍の世界があるなんて、うん、これはロマンがある。


とにかくこの大陸は中央へ中央へと大地自体が向かっており、『悪魔の斬撃山脈』は年々高く、大陸の東西は年々短くなっているというのだ。

冗談じゃない、そのうち大陸が無くなってしまうではないか。

だが、プレート論学者が言うには、その移動距離は年単位でも計測できないくらい短く、我々が生きている間にどうこうなるものではないとのこと。

いやいや、それじゃぁどうやって動いてるって証明するのさ。

証明と言えば、だいたい未だに死の溝は解明されていないという。あれはなんというかプレートの動きじゃできないんじゃないか?


私はやっぱり神代最終戦争時の悪魔の斬撃説がいいなぁ。

っていうかプレート論学者は安息日に関してはどう思っているんだろう。

悪魔の斬撃だけを否定しているのか、神代最終戦争自体を否定しているのか……

今度、学園の図書館ででも調べてみよう



 帰りのホームルームにてレイス、もといシークエル講師から有益な情報をひとつ頂いた。

1年生の講義は午前中しか無いらしい。

もっと言うと2年生以降になっても午後は実験に割り当てられており、基本的に講義は午前しかないらしいのだ。

よくよく見れば入学案内にも書いてあった。

昨日はとんだブラックな環境だと思ったが、いやはや自由時間あるではないか。




明日の講義は……歴史である。



【ノート】

第一講義は8時半から

第二講義は10時半から

帰りのホームルームは11時半から

基本的には90分

話の長い講師


一週間

光、風、火、水、木、金、土


1月は4週間

2月の火の2日


1年は13月

13月のみ29日(安息日)が存在する


1でも2でも3でも4でも割れる12に対して

素数である13は区切りを付けづらく良く思ってない人も多いのだが

皇国時代から使い続けているため、当王期についても13月制を用いている

太陽歴は24月制



講義は午前だけ!!


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