表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
監禁男  作者: 碧
4/12

第四話 睡眠

 

「これで君もついに僕とずっと一緒に居れるね」


 二宮がさぞ満足気な表情で言った。

 電話後俺は二宮からは解放され、手足は相変わらず縛られた状態でベッドに座っていた。二宮は目の前で嬉しそうに立っている。どうやら正真正銘の大馬鹿のようだ。何が成績トップだよ。笑える。


「……あの、水飲ませてもらえます?」


 本当喉カラカラなんですけど。


「ごめんね。今度こそちゃんとあげるから」


 二宮が床のコップを持ち、ストローを軽く押さえながら俺の口元に近付けた。それを逃すかとばかりに一気に吸い込む。

 ──美味い!

 水自体は若干ぬるくはなっていたが、カラカラの喉が潤いを取り戻していく感覚は最高だった。ほんの数秒で飲み干してしまった。


 あまりの飲む勢いの速さに二宮は驚いた表情をしていたが、ふっとかすかに微笑した。


「凄い飲みっぷりだね。そんなに喉渇いてたんだ」

「ああ…はい」


 誰のせいだと思ってるんですか?と大声で言ってやりたい。


「いやーびっくりした。…そういや聡君、トイレは大丈夫かな?」

「今の所大丈夫です」


 そういやトイレや風呂の時もこいつは監視するのか?なら最悪過ぎなんだが。


「なら、いいんだ」

「え?」

「いや、寝てる時に漏らしちゃったらヤバいでしょ?」

「や…でもまだ寝るって時間帯じゃないし…? 寝る前にはさせてほしいですけど」

「そっか」


 部屋に時計がないから正確な時間は分からないが、おそらくまだ20時前後だ。てか、トイレの心配をしてくれるって意外と良い人…?


「……でも君はもうすぐ寝るはずだよ」

「え?」


 まさかと思った。嫌な予感が一瞬で頭を過った。さっきの水もしや……


「目が泳いでるよ。気付いちゃったかな?」

「‼︎」


 二宮が満面の笑みで言う。嘘だろ⁉︎まだ意識は有る。まだ大丈夫!大丈夫………?いや…何か急に眠くなってきた………


「ぐっ……」


 突然くる激しい眠気。

 苦しんでる目の前で二宮がニヤニヤしてるのが見える。

 こいつはやっぱ悪い奴だった。何をする気だ?……あー駄目だ…もう……

 一気に意識が薄くなり前方に倒れ込んでしまった。倒れてきた俺の腹辺りを二宮がすかさず腕で捉えた。


「おやすみ、聡君」


 そう聞こえた後、完全に意識が途絶えた。





 聡の寝顔を眺める二宮。


「やっぱりエマは生まれ変わっても可愛いな」


 聡の頭をそっと撫でた。

 二宮は聡をベッドに移動させた後、自身のスマートフォンを取り出しある人物に電話した。


「……上手くいきましたよ。後は例の件頼みました」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ