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影無高校オカ研部!  作者: 宮居 莉雨奈
相談者:守屋 海斗
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鏡の少年[#2]

「瑠唯ー、あれからどうよ?なにか変わったことあった?」

海斗の家から鏡を借りて3日。

放課後、オカ研部室にて。

「うーん、何人かいて一緒に連れてきちゃったぽいんだけど……そいつらは無害でなにもしてこないんだよね。大きな変化といえば──………」

昨日起こった出来事を話す。

「………そう……海斗のとこもそういう事情というか……そんな感じの記憶がある可能性?」

「高いよね、多分そういう人にしか影響は無いと思うよ、鏡置いてみる?」

「えー興味あるけどやめとくわ。懐かれたくないし」

「そ、今いるでしょ?」

「うん、2体」

「重いわけだ……」

麻里凪がオレの肩を見て言うのだから誰かしらはいるとわかっていた。

2人もいれば重い。

「ただ、害は無いんだよほんと……重さは感じるけどなにもしてこない。鏡のなかにいたあいつが……かなり厄介で力も強いらしいんだけど……で、他の部員は?」

そう言ったところで部室の扉が開いた。

「ちわーすっ☆」

「うるさいのが今来たわね」

零雨だ……

「どう瑠唯ちょーし?」

麻里凪に話したことを短くして伝える。

「ふーん……そういば瑠唯もそんなことあったもんね……となると………」

ふざけたやつだかオカ知識はかなり持ってる、らしい。

なにかブツブツと言い始めた。

「沽榴のことは瑠唯の方が知ってるでしょー、海斗は今日おやすみ」

と他メンバーについて麻里凪が告げる。

沽榴は今吉澤に呼ばれて学年室だ。

会計の仕事かなんかだと思うのだが、それにしては時間がかかり過ぎてる気がする。


「休みかー、なんかあったのかな。体調不良なら確実にこれだと思うんだけどタイミングがねぇ……」

「そうよね。おかしいと思うわ……」

「同クラいないから話し聞けないなー……見舞い?でも行く?」

「そうねー…様子見にでも行きましょうか」

麻里凪がそこで言葉を止め

「あれが、片付いたらね」

と零雨を指差し言った。


零雨はまだブツブツとなにか言っている。



「ねぇ、瑠唯。あの部屋何人もいたんだよね?」

暫くして、零雨が聞いてきた。

零雨は知識はあるが、視えない。

部屋の様子をざっと説明する。

「あぁ、十何人いた。鏡の前に座ってたのがとにかくすっごい奴で……他は特に力を持ってないように見えた。鏡になにかあるというより、部屋に何かあって、鏡が媒介になってる感じ?ただま、あの鏡だけでも影響はあるね」

零雨が考え込む。

「……オレにはちょっとわからんタイプ。だけど……多分、あーゆー系の記憶が関係してると思うよ。海斗のとこ家族多いしあってもおかしくない。オレも今こんなだし」

誰がどこから持ってきたのか知らないが、ソファーベットに寝転がる。

「おーけー……瑠唯とは分かり合えないタイプね……大丈夫?」

と本棚から本一冊抜いた。

とりあえず頷く。

そ。と言い零雨は本を読み始めた。

もう少し時間がかかりそうだ。

オカルトが絡むと真剣になる。いつもの零雨からは想像が出来ない。


麻里凪が珈琲を淹れてくれた。

渡してくるが飲めそうにないので受け取らない。


10分後、オカ研部室の扉が開いた。

沽榴だ。身体を起こす。

「ごめん瑠唯……なんか吉澤が手間取って」

なにに手間取ったんだか……話しは後で詳しく聞くとして……

顧問の所為ならあとで文句言ってやろう。

「いや、大丈夫ー」

「……ほんとに大丈夫?」

「瑠唯。後ろ」

「わかってるわー」

何故か知らないが、背中がさっきより重くなってきてる。多分、視える人だとはっきりと人が視えるだろう。

麻里凪の顔に影が差した。相当なのだろう。

……耳鳴りと頭痛が酷い。

「瑠唯」

沽榴が薬を渡してくれた。

とある病院の院長から渡された薬……

院長と沽榴は事情を知っている。

「ありがと」

受け取って飲む。

すぐには効き目が出て来ないが確実に今の痛みは引くだろう。

大丈夫、とは言ったものの

「ちょっとこれしばらく動けないかもな……」

2体いる上先程より強くなってる。

思いの放流が……止まらない。

「そんなに酷いの?」

頷く。

沽榴が心配そうな顔で覗き込んでくる。

これは迎えを呼ばないと行けないかもしれない……院長でも呼ぼうか。

診てもらった方がいい気がする……

身体をソファーベットに預け目を閉じた。

……辛い。


「ごめん瑠唯ちょっといい?」

零雨が突然立ち上がり、側にくる。

「なに……」

「あ、寝たまんまで大丈夫。麻里凪?」

「ん?」

零雨が手で麻里凪を呼ぶ。

「後ろにいるの、ほんとに2体?あとさ……」

背中を指差して、言う。

麻里凪がそれに答えを返してる。

……よく、聞こえない。

「─……?」

沽榴の口が動いたのが見えた、が、なにを言ってるかはわからない。

これは相当……酷いやつだな。

思いの放流はまだ……





「……そういうことか」

一冊の本を麻里凪と沽榴に見せて表紙をパンパンと2回叩いて言う。


「わかったよ」


零雨は自信満々に

こいつらのことを話し始めた。


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