~1話~ 始まり
唐突に投稿です。久しぶりぃ!
新西暦3年、6月30日、AM11:30
「こちら総司令部、全部隊配置に着いたか、どうぞ」
俺は無線機から流れてくる音声を聞き取り、無線機で応答をする。
「こちら第0歩兵小隊、全員配置に着き、何時でも出撃可能です、どうぞ」
俺は無線機で応答した後、無線機をしまい、足元に置いてある84mm無反動砲を拾い上げ、肩に掛けた。
俺の名は多賀竜騎、日本陸軍特別行動作戦部隊所属、第0歩兵小隊隊長、階級は一等陸曹だ。
年齢は十七、生年月日は西暦1997年8月30日だけど、今はどうでも良い。
ここは戦場、そして俺はその前線に居る、疑問だろうけど、何故普通なら高校に行っているような年齢の俺が、銃を持って、戦場に、前線に居るのかというと……それは三年前に遡る……
西暦2012年、12月24日、AM12:00
突如、宇宙から未確認飛行物体が、世界中に飛来した。
当初は『宇宙人が友好関係を求めて来た』とか、『これは異星人の襲撃だ』などと色々な声が上がった。
未確認飛行物体は、世界の主要となる都市に飛来し、日本も例外では無かった。日本には東京上空に飛来、渋谷全体を覆った、夜が明けてもその飛行物体は微動だにせずに、空中に居座った。
この騒ぎはニュースになり、日本中の人間が知ることになる。しかし、当時の日本政府は様子を見る、と言ってその場に警官隊や、機動隊を配備するだけの、極めて軽い処置をとる。
そして…西暦2012年、12月24日、PM12:00
その瞬間、世界中で未確認飛行物体による、総攻撃が始まった。謎の敵は、総攻撃の際に、人型のようなロボット戦闘兵器を使用して、警官隊や周りの民間人を一斉攻撃した。
その攻撃で、遅れて日本政府から非常事態宣言が勧告される。しかし、謎の敵の侵攻は極めて迅速に行われ、東京全土が戦火の火に包まれた。
日本政府は、やむなく首都東京を破棄、大阪に首都を変更し、関西圏に防衛ラインを敷いた。関東圏は一気に混乱し、自衛隊の殆どは事態が掴めずに、唯無駄死にしていった。
西日本は、自衛隊や米軍のおかげで全滅は阻止できたが、東日本はその殆どが捨てられ、街は廃墟と化し、住民は奴らに殺され、辛うじて生き残った住民が隠れ続ける生活を送ることになる。
俺は東京に住んでいて、あの日の襲撃と共に、家族と大阪の親戚の家に避難して無事だったが、高校の友人の大半が東京に取り残され、無事も確認できない。人工衛星も破壊され、世界中の通信機能が麻痺しているからだ。
その後、避難したは良いけども、日本政府は非常事態として、日本国憲法第2章第9条を改正、軍の保有を許可することになる。新西暦1年、3月5日、日本軍が成立された。
国民は批判はしなかった、こんな状況だ、無理も無い。しかし、軍は徴兵令を行い、これには批判が殺到
した。
学生も基礎体力がある者を徴兵し、ある程度の簡単な訓練をして、そのまま少年兵として前線に送り込んだ。当然だが、少年兵は実戦では殆ど戦果を挙げられず、使い捨ての兵士として、主に前線で戦わされた。
そういう訳で、俺は前線にいる。使い捨ての部隊として戦わされているが、俺はそんなのまっぴらだ。
俺は持てる力の全てを出して、前線で戦った。唯死にたくないのと、もう1つ、目的の為に。
『多賀一等陸曹、作戦開始時間5分前だ。隊員に用意をさせろ、確認するがお前達の目的は敵の陽動、味方の新兵器部隊の到着までの時間稼ぎだ』
無線機からの音声に応答するため、俺は無線機をだす。
「分かってますって、そんなに理解力無いですか?俺は」
『最終確認だ、お前の理解力を疑っている訳ではない』
そう言って通信が切れる、使い捨ては会話も短いのか、まあいいや、死ななければ良いだけだしね。
「よし!総員装備等の最終確認をしろ!作戦開始が近いぞ!」
「「「了解ぃ!」」」
戦友達にそう叫ぶと、力強い返事が帰ってくる。俺はふと少し口の端で笑う、最後かもしれない隊員達の顔を確認する。
さあ!そろそろ逝きますか!!
俺は簡易塹壕に身を潜め、合図を待った。
共同投稿していくので、どさんこ侍さんの小説も宜しく!