表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

[1]発見

寒い。頭が痛い。気持ち悪い。

なけなしの友人らと酒で日付を超え、俺はふらつく脚で家を目指していた。

日の差し込まない、生臭くて暗い、吐瀉物にまみれた裏道を進む。右にも左にも室外機、ガスメーター、換気扇。そして、一人の少女。

── 少女?

何度目を擦っても、頬を叩いても、たしかにそこには少女が倒れていた。アルビノの症状と思われる白い長い髪。二日酔いのせいで俺は頭が回っていなかったらしい。「ひとまず救護を」と、彼女を家まで連れていってしまったのが運の尽きだった。


「......名前は? 家は?」

沈黙。

「分からないのか?」

空白。

二日酔いには味噌汁。彼女にそれを分けつつ尋問するが、何度聞いても、言葉を変えても、一向に口を開かない。

「もうお手上げだよ! 俺には無理。それ食ったら警察行くぞ。」

「......だめ。」

何拍か遅れた、微かな返事。

「だめってなんだ。喧嘩して家出か? 思春期だな、お前。」

「違う。......家、ない。」

俺が呆気にとられた瞬間、彼女はその果てしなく深い青い瞳で俺を見つめた。

「名前、翠雨(すいう)。ここにいたい。」

表情も姿勢も変えずに続ける。

「私、他の人と違う。危ない、''能力''、ある。」

「どんな......?」

「言えない。私もよく分からない。」

「でも、''能力''欲しい人、私を追ってる。」

いつもの俺なら、ただの厨二病の妄想だと鼻で笑っていた。しかし、その見た目からだろうか。本当かもしれない、もっと話を聞きたい、と思う自分がいた。

「よくわからんけど、つまりは匿えってことだな?」

返事の代わりに、彼女はふいと視線を外された。未だに状況を飲み込めていないが、いずれ自分も危険な目にあう、それだけは分かった。

まずは彼女の''能力''というのが本当に存在しているのか、それがなんなのか、知る必要がある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ