第6話 魔法塾
「アルマー飽きた、疲れたー」
まだ出発してから3時間ほどしか経っていないのにイリルが文句を言い始めた。
「おいイリル、まだ出発して3時間だぞ?あと1年も旅をしなきゃならないんだからここで諦めるなよ」
アカがイリルにそう注意する。アカの意見はもちろんだが、流石に3時間もおんなじような風景は俺も飽きてきた。
まぁ耐えるしかないか……
俺達三人はこの暇で暇で仕方ない時間を耐えて、なんとか次の街へとついた。
「ついたー!!!!!」
イリルが馬車から降りた瞬間、両手を広げてそう叫んだ。
やっぱりこの街も魔法学校があった街と同じく、洋風で中世ヨーロッパのような建物の造りをしている。
俺達はこの街で、宿を探し、今後について話し合うことにした。
「とりあえず、まずの課題はお金だな」
俺がそう言うと、イリルとアカはうんうんつ頷いた。
「年齢を満たしてる私はやっぱり冒険者として稼いだ方がいいのかな?」
イリルがそういう。やっぱり、早く稼げるのは冒険者だろう。
「じゃあイリルは冒険者として働いてくれ」
俺がイリルにそう言うと「分かった!」といって冒険者登録のため早速ギルドへと向かった。
「問題は俺達だが……」
俺とアカは冒険者として働くことはできない。
「俺、この宿に向かう途中にパン屋アルバイトの張り紙があったんだ。俺、そこに行ってみるよ」
パン屋か、いいな。でもやっぱり、もっと収入の高い仕事があるかもしれない、ということで、俺は街に出るこ
とにした。
「なんかいいやつないかな」
俺は街にある掲示板のアルバイト募集欄を見る。
「あ、これいいじゃん」
俺が見つけたのは塾の教員募集張り紙だった。塾と言っても入試対策や勉強をするのではなく、魔術の勉強をす
るところだ。A判定以上を取るには魔法学校だけだはやはり足りないのだ。Sはもう才能の世界だからやはりBからA、CからBになるのを目指す生徒がお多いと聞く。
応募条件は……第五魔道士以上か。俺もいけるな。
そういえばここで第◯魔道士などの通称魔道士ランクと言われるものも説明しておこう。前にも言った通り、これは学校での評価とは全く別で、使える魔法によって決まるランクだ。そして、これは二十段階ある。
普通の学校でも魔法は習えるので、大体の人は十三〜十七魔道士だ。魔法学校生だと大抵は十前後でAクラスは高いやつでも七ぐらいだ。Sクラスだと、大体が四か五だ。つまり、俺は天才ってことだ。十八以下になると、もう魔力を持っているのかすら怪しい人達だ。
魔道士ランクの説明はここまでにして、俺は今からバイト先になるであろう魔法塾前に来ていた。
「うわ、面接なんて緊張するな、新卒のとき以来だ」
俺はそう思いながら、俺は玄関のドアを開ける。
「あの……面接にきましたアルマ・ドルテ・フォグルムスです」
俺がそういうと、中にいた教師であろうおじさん達は目を見開いて、すこし話し合ったあと、こちらを向いた。
「入塾希望ですか?ご両親はいますか?」
一人のおじさんが俺に向かってそう聞いてきた。どうやら俺を入塾希望者と間違えているらしい。
「あの……面接に来たんですけど……」
「え!?面接?条件は第五魔道士以上だよ?ゼロを一個見間違えたのかな?」
もう一人のおじさんがそういう。
「いえ……しっかりと規定は満たしていますけど……?」
おじさん達は俺のその発言にビックリして、魔道士カードを見せてくれと頼んできた。
魔道士カードとは、所有者の魔道士ランク、所属団体などが分かるカードだ。
「十四歳で第五魔道士だって!?しかも、エルグラム国立魔導学園のSランク!?今すぐに塾長を呼んできてくれ!」
俺の魔道士カードを見たおじさんが慌ててそういう。
数分後、奥の扉から年を取ったおじいさんがでてきた。
「君が面接希望者かな?少し奥で話をしよう」
おじいさんはそういって、俺を奥の部屋へと連れて行った。
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