第4話 旅の始まり
先生にイリルとアカ呼ぶように頼んだ。
「おじさん、禁書だって言うのに国は動かないんですか?」
「どうやら、国はまだ把握していないらしい。逆に、もしバレてしまったら、アメリスさん達が殺されてしまう可能性がある」
国の機関に頼もうと思ったがどうやら無理そうだな。クソ、北部なんてここから順当に行けば1年はかかるぞ…
「北部連合の移動手段は?」
「恐らくテレポートかと」
テレポートか……テレポートとはかなりありがちで誰でも使える魔法のように思うかもだが、この世界では第一魔道士しか使えない究極の技だ。
この世界の第一魔道士なんて国に保護されてしまい、殆どいない。テレポートを使うには国に協力を仰ぐしかないということだ。
「アルマ!」
声のした方を見ると、そこにはイリルとアカの姿があった。
「おじさん達が誘拐されたって本当か?」
アカが俺に向かってそういう。アカの言うおじさん達とは俺の両親のことだ。
「あぁ、本当だ。だから俺は父さん達を追うために北部大陸へと向かう」
俺がそう言うと、イリルが驚いた顔をして話し始めた。
「北部大陸って……アルマ、本当に行くの?」
なんだ、その反応。北部大陸ってなんかあんのか?
「北部大陸って、この世の曲つて言われてる場所だぞ?」
アカが、俺にそういう。北部大陸ってそんなに険しいところなのか?
「わかったアルマ。私もついて行く。アルマ一人でなんて行かせられないよ。ね、アカ?」
「そうだな、今すぐに出発するんだよな?」
アカが俺にそう問いかける。え?北部大陸ってそんなにヤバイところなの?なんか行く気失せてきたんですけど……
でもここでヘタれるのは流石にまずいか。
「あぁ、今日中には出発する予定だ」
「分かった、じゃあ一旦部屋に戻って身支度をしてくるよ」
俺達はアカの一言で解散し、一旦部屋へと戻った。
「これからどうしたものか……」
俺は部屋へと戻り、地図を広げた。
この世界には5つの大陸がある。まぁ単純に北部、東部、南部、西部と中央の五つの大陸で構成されている。
俺達が今いるのが中央大陸の南の方だから、ここから馬車と船を乗り継いで行く予定だ。
俺はとりあえず、地図にルートをメモし、荷物をまとめ始めた。
「あ、これ……」
俺が荷物をまとめていると、一つのブレスレットが出てきた。
このブレスレットは俺が入学するために家を出る当日、ミカにもらったものだ。
「絶対助けるからな……」
俺は荷物を持って集合場所である共同スペースへと向かった。
「あ、アルマやっと来たな」
そこにはアカの姿があった。
「よう、イリルは?」
俺はイリルがいないことに気づき、アカに聞くと、どうやら休学届を出しに行ったらしい。
「ルートはもう考えてあるんだよな?」
アカが俺にそう問いかける。
「あぁもうバッチリだ」
俺は右手でグッドマークを作りながらそう言う。
「おーい!アルマ!アカ!」
大荷物を背負ったイリルが俺の元へと駆け寄ってくる。
「おぉイリル……ってなんだよその荷物!」
「色々と大事なもの入れてたらこうなっちゃって…」
イリルは大荷物を置いてそう答える。
「少し置いてこい」
俺がそういうと、イリルは渋々了解して自分の部屋へと戻っていった。
俺とアカはその間に馬車の手配をするため、馬車の乗合所へと向かった。
「アカ、とりあえずここから馬車で2日ほどの場所にある街に向かおう」
俺はアカにそう言い、なるべく安く、早く到着する馬車を探しに向かった。
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