第18話 ベルセリム到着
あれから一ヶ月ちょっと、俺達は旅を続けてとうとうベルセリムに到着した。
「やっと着いた…」
「ですね…」
イリルとがため息混じりにそう言う。
「やっとって言ってもまだ半分だぞ」
アカが呆れたようにそう言う。
俺達はひとまず、今晩泊まる宿を探しに向かった。
「やっぱり大きな街なだけあって宿がたくさんあるね」
ベルセリムはやはり中央大陸最大の街なだけあってたくさんの店がある。
宿屋だけでも四十店舗以上あると思う。
「あんまり金がないからそこまで高くない宿がいいな」
アカが宿屋の看板を見ながらそういう。
俺達は一時間ほど宿探しを続け、ある一つの宿を見つけた。
……それにしてもこの作品、宿探すパート多いな……あ、あんまりメタいことは言っちゃいけないんだ。こりゃ失敬失敬。
「個室で一人2000リアスか……」
まぁビジネスホテルぐらいの金額だろう。
俺達はカウンターへと行き、空き部屋があるか聞いてみた。
「部屋なんてガラ空きだよ。この微妙な季節に誰も来ないし、ここらじゃ宿なんて有り余ってるからな。今ならサービスで通常部屋の料金で最高ランクの部屋にしてやるよ」
カウンターの優しいおっちゃんのサービスによって最高ランクの部屋に泊まれる……俺達はそう思っていた。
「ただし、最高ランクの部屋に泊まれるのは一人だけだ。お前達で争って決めな」
このおっちゃん優しいのか優しくないのかわかんねぇ……
「はい!冒険者レベルが1番高いから私に譲るべきだと思います!」
イリルが元気に手を挙げ、声を張り上げる。
「はい、私はここにいるアルマのせいで故郷から無理矢理引き離されて一番可哀想だと思うから私に譲るべきだと思います」
「悪かったって」
どうしようこれでは埒が開かない……
「ここは正々堂々ジャンケンで決めよう」
アカがそう切り込み、みんなジャンケンをすることで納得した。
「ジャンケン!ポン!」
アカの掛け声と共に、全員が一斉に手を出した。
その結果はと言うと……
「フッ……やっぱり神はこの可哀想な私をみているのですね」
フェルビンが出しチョキのてを高く上げながらそう言う。
「最高級ルーム……」
イリルが床に手をつき、落ち込んでいる。
だけど勝負は勝負だ。フェルビンは最高ランクの部屋に、俺達負け犬は通常部屋へと案内された。
その後、ベルセリムでしか売っていない希少アイテムや、武器のメンテナンスなどをして、この日は終わった。
その日の夜、今日は酒を飲みながらアカの恋愛相談に付き合っていた。
イリルを振り向かせるにはどうしたらいいだのなんだの聞かれたが、さっぱりだったので適当に流しておいた。
フェルビンに聞けよと一度言ってみたが、どうやらフェルビンとアカはそりが合わないらしい。
「それよりアルマ。イリルに手を出すなよ?まぁ、アルマが心の底からイリルを好きなら別だけど」
「あぁ安心しろ。俺はイリルのことを好きでもないし手も出さない。出したら腹でも切ってやるよ」
俺はアカにそう豪語した。
その後も恋愛相談……と言うよりただの雑談をして、今晩は眠りについた。




