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英雄志望  作者: かず
第一章 中央大陸編1
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第10話 塾長の正体とクビ

 俺は塾へと戻り、杖を忘れたことに気が付き、またまた素手で実習したところで、今日は終わった。


「ただいま」


 俺が宿の扉を開けて、中に入るとそこにはすでにアカとイリルがいた。


「おかえりアルマ……イテテ……」


 イリルが包帯を巻いた腕をさすりながら返事をする。


「イリル!安静にしてろって言っただろ!」


 アカがイリルにそういう。


「どうした!?怪我でもしたのか?」


 俺はそう聞いた。アカによると、どうやらモンスター討伐中に怪我をしたらしい。


「大丈夫なのか?」


 俺がそう聞くとイリルは「大丈夫」だといった。


「じゃあ俺からだが、今後について話そうと思う」


 俺がそう言うと、みんなでベッドに座った。


「俺とアカはあと二ヶ月程で十五歳になる。だから、途中の街で冒険者になれる。だから二ヶ月間旅するだけの金

を稼げればいいんだ。つまり滞在期間は予定の半分でいい」


 俺がそういうと、二人は確かにと言って相槌を打った。


「じゃあ、予定よりも早く北部大陸に到着する事ができるということだな」


 アカがそう言う。

 アカとイリルはこの意見に納得したらしく、今日のところはもう寝ることにした。


 翌朝、今日は寝坊することなく起きることができた。

 いい朝だ、俺は学園からパクってきた茶葉でお茶を淹れ、優雅なティータイムを過ごす。


「とても上質な茶葉だ」


 お茶のことなんてなんにも知らないがとりあえずそう言っておく。

 さて、そろそろアカとイリルを起こして仕事に行くか。


「おい、起きろ」


 イリルはこう見えて案外朝に強い。起こされたらすぐに起きる。


「おはよう…アルマ…」


 さて、問題はアカだ。アカは日によって朝への強さが変わる。


「おい、起きろアカ」


「ムニャムニャ……もう少し……」


 今日はどうやら朝に弱い日らしい。困ったものだ。アカはこうなると全く起きない。 

 この場はとりあえず、イリルに任せて俺は塾へと行くことにした。


「おはようございます!」

 

 俺は、元気に挨拶をしながらドアを開けた。


「フォグルムス先生、今日はギリギリじゃないですね」


 いつものおじさん先生がそう言った。


「そう言えば、塾長から話があるらしいですよ」


 話?塾長から?とうとうクビか?

 俺は塾長のいる部屋へと足を進めた。


「失礼します、フォグルムスです」


 俺は扉をノックして、部屋へと入った。


「おぉやっと来たか」

「お待たせしてしまい申し訳ございません」


 待たせてしまったのか?そんなに遅れてきた気はないが…


「突然だがフォグルムス君、君はいくら必要なんだ?」


 いくら?いくらって目標金額のことか。


「大体二十万リアスを予定して稼いでます」


 俺がそう言うと、塾長は驚いた顔をして塾長は話し始めた。


「二十万リアスじゃ足りないだろ」


 二十万リアスじゃ少ないのか?やっぱりこんなじゃ足りないのか。塾長はニヤけながら続けて口を開いた。


「ほら、ここに五十万リアスがある。持っていけ」


 五十万リアスだと!?な、なんでそんな大金を……もうなにを考えてるのかわかんないもう怖いよ。うん。


「何故かって?ただの若者への投資だ。こんな老人が大金を持っていても意味ないだろう?」


 俺は流石に抵抗したが、半ば強制的に大金を押し付けられ、クビを宣告された。


「さぁ仲間と一緒に先に進め!次は家族も連れて帰ってくんだな」


 俺はそう言われ、塾長に部屋から叩き出された。


 俺が出たあとの誰もいない、誰も聞いていない室内で塾長は一人ボソッと呟いた。


「私の絶縁した息子を連れ戻してきてくれ、アルマ、我が孫よ……」


 塾長の倒されて見えなくされているネームプレートがもとに戻された。そこには「ルシファード・ドルテ・フォグルムス」と書いてあった。

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