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英雄志望  作者: かず
プロローグ
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第1話 意外と楽しい異世界生活

 俺は伊藤純一いとうじゅんいち、39歳そろそろ40になっちゃう独身手遅れのサラリーマンだ。あ、俺のことは純ちゃんって呼んでな。何はともかく、俺はいつも通り会社に向かってまっすぐと歩いてく。

 やっぱり、東京でも夏は厳しいな。40度近くとかバグだろバグ。俺は強い日差しを耐えながら駅へと向かう。


「ほんと、最近の天気は変わりやすくて嫌なこった」


 1人で空を見上げながらそう呟く。横を歩いていた女子高生から「あのおっさん何言っての?気持ちわる」と言われた気がしたがまぁ気のせいだろう。俺に子供がいたらあれぐらいだったのかもな。ごめんよ母ちゃん、孫の顔も見せてあげられなくて。


 俺は定期券を改札へとタッチしてホームに向かう。

 

 電車が来るまでの間にニュースをチェックしていく。……え!?あのアイドル結婚したの!?俺が一枚の記事に夢中になっていると電車のアナウンスが流れた。今日も満員電車か……などと少しブルーな気持ちになっていると、突如、俺の背中に何かがぶつかった。どうやら、俺の後ろに並んでいた人が脳震盪で倒れてしまったらしい。

 俺はそのまま抵抗することもできず、ホームへと真っ逆さまに落ちてしまった。


「いててて……」

 

 俺が頭を摩りながら起き上がるとホームが何やら騒がしかった。


「そこのおじさん!早く上がって!」

「急いで!おじさん!」

 

 おじさんとはなんだ。これでもまだ30代だぞ!俺がそう言った奴に言い返そうと口を開いた。

「あのな、俺はまだおじさんっていう年齢じゃ……」

 

 その瞬間、横からすごい音をたてて電車が俺へと迫っていた。

 俺はまたもや抵抗することもできず、電車と思いきりぶつかってしまった。


 おそらく、木っ端微塵のミンチ肉になっているだろう…


 次の瞬間、目が覚めるとそこは病院な訳もなく、ごく普通の民家だった。

 どうやら俺は誰かに抱き抱えられているらしい。誰だ?39歳185cm85kgを簡単に抱っこできるような化け物は。

 

 俺が目を開けると、そこには意外にも女の人がいた。

 え?まじ!俺、レディーに抱っこされてんの?母親と婆ちゃん以外のレディーに抱っこされた事のないこの俺が?それにしてもこんな大柄な俺を簡単に抱っこできるだなんてどこの誰だ?


 おぉ、それにしてもこんな美女に抱き抱えられていたら俺の立派なムスッコがビッグになってしまう…ってあれ?俺の立派なマグナムがリトルマグナムどころか100均の水鉄砲に……


 あれ?ムスッコだけじゃなくて俺の怠惰の塊である脂肪も……あれ?まさかこれって……


 赤ちゃんになってる!?そう、俺は赤ちゃんになっていたのだ……


「あぁなんて可愛いのかしら…」

 

 俺を抱き抱える女性が俺を撫でながらそういう。


「俺たちの愛の結晶だよ」

 

 横に座っていた男がそういう。やめろよいちゃつくなよ妬ましいぞ。多分親なんだろうけど殺意が湧いてくる。

 これってあれか?あの、アニメとかでよくある異世界転生ってやつ?だって俺、この構図見たことあるもん。アニメで見たことあるよ俺。


 時は大分進んで7年後、やっぱりこの世界は俺が思っていた通り剣と魔法の異世界だ。異世界に来たなら勇者になって美少女ハーレムを形成したい。誰しもの夢だと思う。

 そこでだ、この世界にもやっぱりモンスターを倒す冒険者という職業がある。俺はこの冒険者という職業になってこの世界に伝説として名を馳せたいと思っている。なんなら勇者やら英雄やらと崇められたい。

 そんな承認欲求と欲望しかない理由で俺は冒険者になるための修行を日々積んでいた。


 運がいいのか転生したあとの父が元剣士ということもあり、俺は剣術をやり始めた。


「いくぞアルマ!しっかりうけて返せよ!」


 あぁそうだ。俺のこの世界の名前はアルマらしい。だから俺のことは純ちゃんじゃなくてアルマくんって呼んでくれよ。


「わかってるよ!父さん!」


 俺の父さんであるベルフはかなり若くてイケメンだ。まだ30代にもなっていないだろう。ちなみに、俺も遺伝子的にかなりのイケメンだ。前世で諦めた夢である美少女ハーレムの結成には容姿が1番か2番を争うレベルで大事だ

ろう。


「お兄ちゃん!お父さん!ご飯だよ!」


 俺と父さんが庭で剣術の修行をしていると、家の中から声がかかってきた。

 俺のことをお兄ちゃんと呼ぶ声はお察しの通り俺の妹だ。名前はミカ、俺の一歳年下だ。いずれ俺のハーレム要員にしようと思っている。


「わかった!今行くよ!よしアルマ、今日はここまでだ」


 俺と父さんは家の中へと入る。そこにはとても美味しそうな昼ごはんが用意されていた。

「今日はラム肉のシチューか!俺大好きなんだよな!」


 父さんがそう言って一気に飲み干す。


「あなた!行儀が悪いですよ!アルマやミカが真似したらどうするんですか?」


 父さんの反対側に座っている、女の人がそういう。何を隠そう、俺の母親であるアメリスだ。年齢は父さんと同じくらいだろうか。とても美人だ。母親じゃなかったら俺のハーレム要員にしていたところだ。


「まぁまぁ細かいことはいいじゃないか!男はこれぐらい豪快な方がいよな?アルマ?」


 俺に振るなよ…俺はとりあえず愛想笑いをしてさらっと受け流す。


 正直、前の世界よりこっちのが楽しい。やっぱり最後に母ちゃんに別れぐらいは言いたかったけどな。

 でもよくわからないけど転生したんだしこの生活を楽しむか。俺はそう思ってベットへと入って眠りについた。

後書きです!

どうもかずです。今回も異世界ものを描いてみました!

至らない点があったら教えてくださると助かります!評価や感想などもお願いします!できればブックマークもしていただけると幸いです、

これからお宜しくお願いします!

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