『人生』という名のクソゲーはどうすれば神ゲーになるのか
よく「人生はクソゲーである」という言葉を耳にします。私は流石にクソとまでは言いませんが、バランス崩壊ドM専用理不尽鬼ムズゲームだとは感じます。そこで、一体どこをどのように改善すれば、誰もが楽しく周回できる神ゲーになるのか具体的に考えてみました。
1.キャラクリを可能にする
キャラクタークリエイト、通称キャラクリ。主人公を好みの見た目に設定する機能の事です。最近は、現実の人間そっくりに再現できるようなゲームも数多くあるなかで、信じられないことに我々は自分の容姿に関して一切選択権を持っていません。これは明らかに大問題です。性別、体型、肌の色や顔面偏差値、挙句の果てに能力値や体質にいたるまで、全て遺伝という謎システムに決定されてしまうなんて、どう考えても納得できるわけがありません。
自分が一生という膨大な年月をかけてプレイするキャラクターなのですから、当然自らの手であれこれ悩みながらゆっくり決められるようにすべきです。キャラクリを可能にすることで、誰でも主人公に愛着を持って生まれることができますし、人生に対するやる気も増すことでしょう。勿論、能力値に関してはバランスが崩壊しない程度に設定の上限を調整する必要がありますが、少なくとも脳筋型や頭脳型など希望するプレイスタイルに応じた能力の割り振りは必須です。
2.レベル&スキルの成長条件を緩和する
ゲームの楽しさの根本は「やればやるだけ強くなる」ことだと思います。RPGであれば敵を倒して経験値を得ることにより、レベルアップして主人公を強化できますし、アクション、シューティング系のゲームはプレイヤー自身の練習によって上達することで勝率が上がります。
人生においてもレベルアップできないわけではありません。練習を繰り返すことで足が速くなったり、字が達筆になったり、言語を習得したりすることは可能です。問題は、上達するために膨大な時間と労力が必要だということです。一つの道を極めようとすれば、数十年を費やしても全く足りないなんてケースも珍しくありません。
だからこそ、もっと簡単にレベルやスキルを上げられるようにすべきなのです。あらゆる技術を成長しやすくすることで、人生の選択肢は無限に広がります。50メートルを5秒で走れるマルチリンガル書道家になるのも夢ではありません。たとえキャラクリを失敗したと感じても、多少の努力で取り戻すことさえできれば、最後まで諦めずに人生を楽しく謳歌できるはずです。
3.引継ぎシステムの改善
ゲームの中には引継ぎ、又は周回要素と呼ばれるものがあります。クリア後に新しくゲームを始める際、何らかのアドバンテージを持った状態でプレイできるようになるシステムのことです。これにより、同じゲームを飽きずに繰り返し遊ぶことができます。
その点、人生においては致命的な欠陥があります。宗教によって異なりますが、地獄・煉獄・天国・楽園・極楽など、ごく一部の特殊なステージを除き、記憶や能力がリセットされてしまうのです。しかも、なぜか善行や悪行だけは引き継がれて、次の人生に反映されるというケースまであります。これは最早バグといっても過言ではありません。
数十時間プレイしたゲームのデータが消えただけでも絶望するというのに、数十万時間かけてコツコツ育て上げた主人公が綺麗さっぱり跡形もなくリセットされてしまうなんて、こんな残酷で凶悪な理不尽は許されないでしょう。せっかくキャラクリや成長システムを改善しても、この引継ぎが機能しないならばクソゲーの烙印を消し去ることはできません。
財産・地位・名誉などはしょうがないとしても、各種技能のレベルや能力値に関しては引き継いで次の人生を始められるようにするべきです。前世での失敗から学び、来世に活かせるようなシステムこそ、人生に求められているのです。
この他にも、一度行った場所に瞬時に移動できるファストトラベル、食べ物や薬による体力回復システム、人生の節目におけるセーブ機能など細かな改善点はまだまだ山のようにありますが、とりあえず上記の三つを変更するだけでもクソゲーの汚名を返上できるのではないでしょうか。
人生開発スタッフの皆様、どうかご検討のほどよろしくお願いいたします。