表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
概念としての女優  作者: 白木雨芽
1/1

いつも朝、早いね

わたしは女優だ。この世界で勝手に決めつけられた設定とあらかじめ用意されたセリフを淡々と吐く、立派な女優だ。青いブラウスはベストを着ない方がかわいいけれど、わざわざ校則のベストを脱ぎ捨ててブラウス一枚で廊下を歩く勇気はない。紺色の靴下だって、丈のチョイスは時代によって変わるらしいけれど、入学したときからずっと指定のものを履いている。目立たず、無難に。けれど、不快感を与えない好い加減の地味さで、毎日を生き抜く。それが女子高生のわたしにとってのベストアンサー。

朝の教室の空気は独特で、いつ世界の序列が変わるかわからない。だから、誰かが空気を作る前に、最初からそこにいる。おはよう、と声をかけられて振り向く側でいることが一日の安心感をつくる。

最近、席替えをした。後ろの席のもみじとは仲がよくて、もしもわたしが教室の空気を凍り付かせるような失敗をしたとしても、一番最初に大きな声で笑ってくれる、心強い味方のような存在だ。

読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ