初恋メモリー
一つにまとめたいタイプなんで長くなりましたがお願いします関西弁わからないので 間違ってたらごめんなさい
…新幹線来えへん
なんか…寂しいなあ
ひとりで上京て…
見送り断らんかったらよかったなあ…
まあ…今さら後悔してもしゃあないわ
新幹線の隣は同い年…ちょい上くらいやな
男やん…
指定席にせんかったらよかった
きまずー…
「ねえ」
はあ!?
いきなり何!?
「俺、そこに上着置いててんけど」
上着…?
『あっ…』
「普通そんくらい気づくやろ」
…なんでんなこと言われなあかんねん
『人の席に置いとく自分が悪いんちゃうん?』
「気ぃ強い女…」
何笑ってんねん…
でも…笑った時の目尻のしわが…あの子に似とる
名前も覚えてない…五歳の初恋相手
「なあ、どこ行くん?」
『東京』
「やっぱ?この新幹線やし」
…うるさい
「なあ、名前なんていうん?」
何で教えなあかんねん
『教えない』
「ええやんっ。せっかく隣なんやから」
『…みすの』
「み…すの?」
まあ珍しい名前やな
言いづらいし
『そっちは?』
「康也」
『康也?珍しいなあ』
「そうか?」
「なあなあ」
いつまで話すん
「いくつ〜?」
『…20』
「ほんま!?一緒やっ」
やっぱ同い年やな
「彼氏おるん?」
『あんたなあ…デリケートな部分聞きすぎやろ』
「俺とお前の仲やんけ〜」
『どんな仲やねん』
「で?」
『おらんよ』
「俺も〜」
きれいな顔してんのになあ
「忘れられへん子がおる」
あたしと…一緒や
「なんで上京するん?」
『小さいころからの夢やったから』
「へえ…一人?」
『友達と二人で』
「友達とか…ええなあ」
『そっちは?』
「一人で人さがし」
『…人さがし?』
「いるんかわからんけど」
『なんでそんな無茶なことするん?』
「どうしても会いたいねん…あの子の憧れてた東京で」
あの子って…忘れられない?
『わあ〜…着いたあ』
「なあなあ、メアド交換せえへん?」
『ええよ』
なんや…あっさり交換してもうた
『じゃあ…がんばってな』
「おん」
『友達来てるから行くわ…。落ち着いたらメールする』
「おん。じゃあな」
なんか…おもろかったなあ
【あれ誰!?彼氏!?】
第一声がそれかい…
『そんなわけないやん。席隣だっただけ。ちょっと仲ようなってん』
【ええなあ〜。イケメンやったね】
『あんたは彼氏おるやろ』
【そうやけど〜…】
…やっぱ一か月じゃ変わらへんな
元気そうでよかった
ちょっと古いマンション
2LDKで結婚安いから決めてもうた
【じゃ、準備できたらリビング集合で】
中もレトロな感じで可愛え
家具が元々あるからすぐに準備も終わってもうた
[今荷物整理終わった。そっちはどんな感じ?]
…返ってくるかな
[こっちも同じやで]
早いな…
[家具あったから楽やった]
[こっちも〜]
なんか…和むな
【みすの、酒でも呑もうや】
『ええなあ』
…呑まさんかったらよかった
あたしの膝で爆睡しとる
あたしは相変わらず康也とメール中やけど…
[明日から仕事や〜]
早いな…
[あたしまだまだやで]
[そうなん?楽やな]
[まあ頑張るけどさ]
[頑張り〜]
[ほーい]
[明日早いからもう寝るで〜]
[おやすみ〜]
何でこんな仲ようメールしてんねん、あたし
『あたしも寝るかあ…』
独り言とか寂しいやん
…ほんまに寝よ
メールの着信音で目が覚めた
[昼、一緒に食べようや]
…なんやそれ
[ええよ〜]
[じゃ、駅前で]
よう知らんのに行けるかな…
「みすの〜」
『康也っ』
…スーツなんや
『ファミレスでええかな?』
「えんちゃうか?」
『じゃ、行くか』
『あたしパスタ〜』
「俺カレー」
『カレー好きなん?』
「好きやなあ。みすのもパスタ好きなん?」
「好きやで」
なんや…この会話
「じゃあ、戻るな」
『おん、頑張り』
それからは順調に東京生活を送って慣れてきた…
康也ともよく遊んでる
うちにも遊びに来たし、あたしも康也の家に行った
ほんまに軽い男友達って感じ
今日も二人ともひまやから康也の家に来た
『何…?これ』
テーブルの上に冊子が置いてある…
「あ〜…アルバム」
『ほんま!?見てええ?』
「ええよ〜」
うわあ…康也小さい…
この女の子…
『この子、よう写ってるね』
「忘れられへん子」
だってこれって…
「その子、恋川みすのいうねん」
『え…』
あたし…名字教えてへんし
「康也やで?覚えてへんかな」
『こう…ちゃん』
「せやで、みいちゃん」
あかん…
『人さがしって…』
「みすのにもう一度だけ会いたかってん」
『だって…いきなっり引っ越してまうかっら…もう会えへんと思って…』
「泣くなや、全く。泣き虫は相変わらずやな」
…やっぱり東京来てよかったかもしれん
「みすの」
『なに…』
「つき合おうや」
『ほんまに…?』
「返事は?」
『…はい』
お互い小さいころの願いを叶えてキスをした