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強い光
校門の鍵を閉めて、夜の学校を出る。
空を見上げると雲一つなく、小さな星が輝いていた。
「疲れた~」
答案用紙の採点や雑務をこなしていたら残っているのは自分だけだった。
残業、残業、残業である。
「中学教師、ブラック!」
大学を出て教師になって5年。担任にもなって忙しい日々。
山田太郎、27歳男独身。彼女はいない。
いつもの帰り道をトボトボと歩く。
「どこか遠いところにいきたいな~」
北海道?沖縄?海外?
「そんな時間もお金もないんだけどね~」
悲しくなって、バックの紐を強く握る。
急に空が明るくなった。
「なんだ、流れ星?」
今日、ニュースで流星群がくるって言ってたっけ。
てか、流星群ってこんなに強い光だったけ。
上を見上げると夜空に大きな物体とそれからでる強い光で目がくらんだ。
両腕で顔を守るが、光は目から脳に入ってくる。
「気持ち悪」
僕はそのまま倒れて気を失った。