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私の帰る場所  作者: 常盤周
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7

お風呂に入って自分に回復魔法をかける。

少しは疲れがとれたと思う。

精神的には無理。

あんな怪我見た事ないし剣を突きつけられるし怖かった。

これからもあんな事があるのかな。

私…大丈夫かな?

不安。


パン!

自分の両頬を両手で叩く。

よしっ!

ここで考えても仕方ない。

あの男性が戻る時に町に連れて行ってもらおう。

その為にはできる事をしないとね。


様子見にいこう。

無限収納に色々いれてテントに行く。

ランタンの灯りを少し落として中に入る。


「大丈夫ですか?」


小声で声をかけてみる。

一瞬眉間にシワが寄ったような気がする。

何も言わないし動かないから気のせいかな?

冷えピタを剥がして額を触ると熱が上がってる。

タオルで汗を拭き新しい冷えピタを貼る。

氷枕もした方がいいかな?

無限収納からだして頭をそおっとのせる。

タオルケットじゃ寒いかな?

一応毛布を出してかける。

スポーツドリンクを購入した吸口に入れて少しずつ口にいれる。

あっ⁈

回復魔法で熱下がらないかな?

でも怪我からくる熱だったら?

医学知識ないし何でも魔法に頼るのはダメだよね。

ヒエヒエ草はあるけど薬の作り方がわからないから無理。

ネットで調べるにしても魔法についてはわかんないだろうし。

そう思いながらネットで調べると頭の怪我はともかく

意識がおかしいとか吐き気、嘔吐、痙攣などかある時はすぐ救急車をって…

ここに救急車はないから無理。

意識がないのはおかしいになるのかな?

はぁ〜。

早く意識が戻らないかなぁ。

っていうか意識がないのか寝てるだけなのか全然わかんないんですけど?

もうお医者様じゃないから様子見るだけでいいよね。


家に戻ろうかなぁと思ったら


「…っ……くっ…」


と聞こえて手がピクッと動いた。

思わず手を取り撫でながら


「目が覚めたかな?」


と声を掛けていた。

そのまま何も言わないから、まだ起きないかぁとそおっと離れようとしたら手を握られたままで離そうにも離れない。

仕方ないからもう少しここにいることにした。

片手は繋いだままもう片方の手で無限収納からタオルケットをだし自分の身体にかける。

一応クッションに座ってるし重ねたクッションにもたれかかって楽な姿勢をしている。

繋いだ手から回復魔法が伝わるかな?


早く元気になって。


する事もないし今日はすごく疲れたから自分ではボーッとしてるつもりがいつの間にか寝ていたみたい。

気がつくと朝だった。


嘘っ⁈

私寝ちゃってた?

手は離れていたから額を触る。

昨日より下がってるけどまだ少し熱がありそう。

冷えピタを剥がして濡れタオルをのせてテントからでる。


んー。

伸びをする。変な体勢だったからか身体が痛い。

家に戻って着替えと食事をしたらテントに戻る。

そろそろ起きないかなぁ。

あっ、食事…

スープでいいか。

いつ起きるかわかんないし。

とりあえず水差しにスポーツドリンクを入れてコップを置き

濡れタオルをかえながらそんな事を考えていたらいきなり手を掴まれて引き倒された。

気がつくと首をグイと抑え込まれて苦しい。


「ッ⁈」

「ど…つも…」


かすれた声で何言ってるのかわからないし自分の事でいっぱいいっぱいだから察することもできない。

手を伸ばして相手の腕をペチペチ叩く。


ん…ゔゔん…

「怪しい動きをしたら殺す。お前の目的は?ん?この髪色は…」


私の首を抑えている男性は声がかすれて言葉になってなかったからか咳払い?喉を確かめてから喋っていた。


「く…しぃ…」

「悔しいか。俺を殺すつもりが自分が殺されそうになっているからか?誰に頼まれた?手を離すがいつでもお前を殺せるからよく考えて喋れ。」


そう言って手を離すがこちらを睨んでいる。

苦しさから解放されて咳き込む。

ゴホゴホッ…ゴッ…フゥ〜


「ハァハァ…何なのよ?助けたら殺されるの?もう知らない!バカ〜出てけ〜ウッウウゥ〜」


気持ちがグチャグチャで泣きながらクッションを振り上げて男性にぶつける。

普通ならどうって事ないだろうけどまだ少し熱があり本調子じゃないからかふらついてマットレスに倒れた。

それでも構わずにクッションを何回も振り上げてぶつける。


「おっおい!やめろ!」

「うるっさい‼︎殺すんでしょ?助けてくれた女を殺したって自慢すればいいじゃない!」

「⁈‼︎」


男性がクッションを掴んで動きを止める。

私は息が上がっている。


「俺は女を殺して自慢するような人間じゃない!説明しろ!」

「いきなり…人を殺そうとしたくせに…」

「いいから話せ!」

「…ちょっと待って。そこから動かないでよ?」


涙を拭いて水差しからスポーツドリンクをコップに注いで飲む。

ほぉー。

一息ついて落ち着いてきたら相手は病人だったと慌てたけど私を殺そうとした人だからいいやって思う気持ちもあってどうでもよくなった。

すると相手が


「あー俺にも飲み物をくれないか?」


ときまり悪そうにこちらをチラチラ見ながら言ってきた。

仕方なくコップにクリーンをかけてスポーツドリンクを注いで渡した。

一口飲んでビックリしたみたいだけどすぐにゴクゴク飲んでおかわりを要求してきたのでまた注いであげた。

それで落ち着いたのか


「説明できるか?」


と言ってきた。

よくみると橙色の目をしているし顔も整っている。

イケメンかと言われればどうだろう?

好みによるだろうけど10人中半分はイケメンと言うんじゃないかな?

って感じ。

私の感覚だからあてにならないけどね。

まぁ、さっきより態度が軟化してきたみたい。

ならば私も大人な態度をとるしかない。


「まだ熱があるよね?横になってくれたら話すよ。」


横になった男性の額に濡れタオルをのせてタオルケットをかける。

あっ着替えた方がよかったかな?まっいいや。

クッションを整えて少し離れた場所に座って男性を森で見つけた所から話し始めた。









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