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私の帰る場所  作者: 常盤周
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ザーザーザー

雨の音かな。

でもドドドドドドッて音も聞こえる。

何だろ?

起きてカーテンを開けるけど真っ暗。

えっ?

夜中?

時計を見ると7時を過ぎている。

あれ?

電気をつける。

雨降ってるにしては暗すぎるっていうか窓の外の景色が見慣れた景色じゃない。

しかも雨の音はするのに雨が降ってない。

どうしようかと思ったけど玄関からそおっと外を見てみる。

玄関から5,6メートル離れた先に雨というより滝の様な勢いで水が落ちている。

しかも洞窟?洞穴?の中に部屋があるようだ。

なんで?

えっ?

昨日花音が帰って普通に寝たよね?

ドッキリ?

誰が?

いや、ちょっと落ち着け。

す〜〜〜はぁ〜〜〜。

わからん。

とりあえず顔洗ってご飯食べよう。

普通に水もでるしガスも使えた。

パンを焼いてる間にベーコンエッグとコーヒーを作る。

いただきますと食べるけど何がなんだかさっぱりで、これからどうするか、周りを見てみるにしてもあの滝?の向こうにでれるのかなぁとか考えていたら食べ終わっていたようだ。

はぁ。


誰か説明してくれないかな。


と思ったらパァ〜ッと眩しく光を放つ球体が目の前に現れた。


火の玉じゃなく光の玉?


『私はこの世界の女神よ。そうね、光の女神とでも呼んでくれればいいわ。あなたには悪い事をしたわね。あなたのいた世界の神が意地悪するから追いかけて雷を落としたらあなたの部屋に当たっちゃってこちらにきちゃったの。まぁ、ここに飛ばされるとは思わなかったわ。』


「意地悪…」


『そうよ、美味しいスイーツを一緒に食べようって誘っておいて1人で食べるのよ!私に見せつけるように!誘っておいて私には食べさせてくれないんだから怒るのは当然でしょ!』


自称光の女神が文句を言ってるとまたパァ〜ッと光って第2の光の玉がでてきた。


『何言ってるんだい?毒味しろって言うから毒味してたんじゃないか!それをいきなり怒って魔法を使ってきたんだろう?せっかくのスイーツをダメにしたのは君じゃないか!』


「スイーツで…喧嘩のとばっちりで…」


『うっ。悪かったと思ってるわ。あなたの世界の神が1つ私が1つあなたの希望を叶えるからいいでしょ?』


「希望を叶える?」


『そうよ。早く言いなさい。』


「その前に聞きたいんですけど、ここは日本じゃないんですか?戻してもらえないんですか?」


『そ、そうよ。ここは私が女神として見守っている世界よ。あなたの世界で私の力が当たってしまったから弾かれて飛ばされたの。悪いけど戻す事はできないわ。だから希望を叶えるって言ってるでしょ?』


『君全然悪いと思ってないよね?全く。あなたには申し訳ない事をしたね。急に聞かれても困るだろうけど何か希望はあるかい?』


はぁ〜。

地球の神様はいい人…神様のようですね。

一応謝ってくれたし気遣ってくれてますよね?

それに比べて光の女神だっけ。悪いとかいいながら謝ってないよね?日本に戻れないのに…希望を叶えてあげるからって…


「希望を言う前にこの世界の事教えてもらえませんか?日本と違うんですか?文明・文化とか、言葉は通じるんですよね?読み書きできないとこの先困ると思うんですよね。そう言う基本を教えてもらえないと自分に必要な事とか希望する物とかがわかりませんから。」


『そうねぇ。仕方ないわね。あなたの世界でいうところのファンタジーの世界ってところかしら。

魔法もあるし剣や弓なんかで獣を狩ったりするのよ。言葉は通じるし読み書きもできるようにしてるわ。もちろん魔力もね。この世界魔力がない人はいないの。でも魔力量は人それぞれよ。あなたの魔力量は多くしたから安心して。そして攻撃魔法以外の防御や回復、生活に必要な魔法は使えるようにしてるから。魔法は詠唱してもしなくても使えるわ。あと魔法はイメージだから。あなたのイメージ次第で効果も変わるわね。これでいいかしら?』


「あのここの場所は?外はなんか滝?みたいな…水が落ちてるし水の向こうに行けますか?」


『あぁ、ここは癒しの森で周りは試練の森で囲まれてるわね。そして滝の裏側の洞穴ね。

外に出られるわよ。滝と言ってもそんな高い場所からじゃないわ。川が流れるのに少し段差があるくらいよ。まぁ少し離れて落ちているからスペースはあるの。横に道があるからどちらからでも出入りできるし、ここから出入りするところは魔法がかかってるから誰も入ってこれないわよ。パッと見、滝からあなたが出できたって見えるからビックリするでしょうけど。』


「えっと、森が森に囲まれている?なぜ?あの森の中って獣とかいるんですよね?私戦えません。それに攻撃魔法がないなんてどうしたらいんですか?なぜ攻撃魔法がないんですか?魔法って突然使えるんですか?それと近くに町とかありますか?」


『ここは癒しの森よ?簡単に人がこれる場所じゃないの。欲深い人間が森を荒らさないようにさらに森で囲ってこれないようにしてるのよ。稀にこれる人間もいるけどほとんど試練の森で諦めるわね。それと攻撃魔法で森を傷つけられたら困るもの。それにこの森にいる動物や獣はあなたを襲わないから大丈夫よ。森の加護をあげたから。魔法はイメージすればいいだけだからすぐに使えるわよ?町はあるわ。これでいいでしょ?さぁ、希望を言いなさい。』


むぅ。聞く事は聞けたけど聞き漏らしがあるようなないような。んー。

当分この場所から動けないだろうし食べ物とか困るよね。

だったら


「地球の神様にお尋ねします。インターネットは使えますか?水道やガス電気は使えたのでネット通販ができるか確認したいのです。それと向こうでは私どうなってますか?死んだ事になってるんですか?」


『そうですね。あなたと関わった人達にはあなたの記憶はないようにしてます。こちらの巻き添えですから申し訳ないのですが悲しむよりはと思いましてね。仮に会ったとしても誰だかわからないと思います。そしてネット通販はできますよ。ただお金をどうするかですね。』


そっか。花音に会っても私がわからないって事かぁ。

両親も双子の兄ももう会えないし呼ぶことも出来ないんだね。まっ、いっか。そこまで仲良くなかったし。泣いて悲しんで暮らす事にならないからいいのかな?家族はともかく友達はさすがにね…

私は覚えてるよ…

涙が出てきたけど


『さぁ何を希望するの?早く言いなさい。』


…ほんと自分勝手だよねぇ。


「そうですねぇ。叶えられない事とかあるんですか?」


『もちろん。1つじゃなく何個も叶えろとか不老不死にしろとかは無理ね。』


「じゃあ世界征服は?」


『はっ⁈なっなななに言ってんの?』


「できるんですか?」


『させないわよ!そんな事…世界が欲しいなんて私を怒らせてタダですむと思ってるの?』


「聞いてみただけですよ。めんどくさい。…じゃあお金もらえますか?」


『お金?大丈夫よ。お金でいいのね?金貨50枚でいいわよね?』


「いえ、金貨1枚は日本でいくらですか?」


おおよそ

銅貨は100円

銀貨は1000円

金貨は10000円

大銀貨は100000円

大金貨は1000000円


なるほど。

では、


「地球の神様にはネットで買った物のゴミ処理をお願いしていいですか?プラスチックとかこちらにない素材とかを捨てる事はできないでしょうからお願いします。あと光の女神は私が日本で普通に働いて退職するまでに稼げるはずだった金額を下さい。もちろんボーナスも入れてくださいね。そしてあなたが本当に反省しているのならさらに他のものをプラスしてくれて構わないんですよ?」


ニッコリと笑って言うとキレたのか


『なっ!何言ってるの!図々しいわねっ!しかもプラスしろなんてどれだけ強欲なのよ〜‼︎』

『君はお金と言われて大丈夫と答えた。いくらまでとは言わなかったんだから叶えてあげなきゃね。』

『っ〜〜〜わかったわよっ!』




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