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3話

 白い翼をもつやや大きめの鳥のモンスターが、戦いを挑むかのように私の前に立ちはだかった。



 鳥は翼をはばたかせながら私からいったん距離を置く。そして加速しながら顔面に向かって突っ込んできた。位置的に反撃するのは難しそうだと思い、私は回避を行う。




 うまく回避したはいいものの、鳥はすぐさまターンを行い、再び突っ込んでくる。私は回避するので精いっぱいだ。あれ?でも一回目の時よりも少し遅いかも。




 鳥の突進に対して何度か反撃を試みたが、位置が悪くうまく攻撃が当たらない。一方的に攻撃を食らってしまい私はもうそろそろ倒れそうだ。だが鳥の方もだいぶ披露していたようだ。




 フラフラな状態で鳥の突進を何とかかわした後、鳥はターンせずそのまま遠くのスペースまで行き羽を地面につけたのだ。どうやらだいぶ疲れていたようだ。



「今がチャンス!」



 そう思い私はタロットカードを一枚取り出し、全神経を集中させる。




「タロットよ!未来を示せ!」




 叫んだ私はタロットを見る。そこに書かれていたのは雷の絵だった。




 雷が鳥を襲い一撃でダウンさせる。私の勝利だ。


 

 

 

 鳥のモンスターを倒した私は卵を手に入れ、再び収穫作業へ向かいクリスと一緒に収穫を行い、十分な量の小麦を収穫した。




「よし! 小麦が十分に手に入ったよ。ありがとうクリス、話し相手になってくれて」



「いえいえこちらこそ楽しかったよ~プリア。これから予定とかある?」



「これから西の草原に行って牛のモンスターを倒してくるよ。それからそのあとは、北の林でキビガメを倒しに行くよ。今度のパーティのためにケーキを作ろうと思ってるからそのための材料集めを行っているんだ。クリスはこれからどうするの?」



「手作りのケーキかぁ楽しみだなー。私もついて行っていいかな? ケーキの材料集めをお手伝いしたいし」



「いいね!一緒に行こう」





私たちはまず、小麦と卵を家に保管してから西の草原へと向かった。草原にも黄色の土によって一本の道ができていた。その道から左右を見渡せば、草がいっぱい生えているのがわかる。



「クリス、この場所では偶にモンスターが襲い掛かってくることがある。十分に気を付けて」



「はいはーい」



 私たちはモンスターを警戒しながら草原を進んでいった。いくら進んでも草ばっかりで、景色があまり変わらない。私は牛のモンスターを探しながら、耳を澄ましてモンスターの襲撃を警戒する。すると、不自然な物音がするのを感じた。



「何か、来る」




 私たちは歩くのを止め、何者かの襲撃に備えた。遠くの草がざわめくのを感じる。そのざわめきは次第に私たちの近くへとやってくる。5メートル先まで来た何者かが草から出てきてその正体を現した。






 出てきたものは、四つん這いの態勢になっていて、激しい呼吸を行っている。







 うすーい水色の短めに整えられた髪形を持ち、あどけない表情で私たちを見つめていた。どうやら人間のようだ。




「モンスターより厄介なのに出くわしちゃったね」


「そのようだね」



 あきれた表情のクリスの言葉に私は同意した。




「二体一かぁ。ちょっと物足りないな。二人とも覚悟ですよ」



 そう言いながら彼女は、いきなり襲い掛かってきた。




 彼女の名前はソオーナ。隣の村に住む剣術を極めし者。見た目とは裏腹に、その強さは、この国の王を守る騎士団のリーダーであるキシリダさんをはるかに上回る。



 この国には彼女よりも戦闘能力の高い人間なんて存在しないだろう。しかし、彼女はかなりの自由人で、身体を鍛えるために様々な訓練を行っている。




 道の真ん中で堂々と剣の素振りを行っている姿が、あちこちの場所で目撃されることがあった。




 私たちの住む広場にある噴水に、服を着ずに浸かって体を鍛えてる姿が目撃されることもあった。




 そして、広場の住人に突然戦闘を仕掛けることもあった。彼女はいつでも少し変わった行動をとっている。




「ちょっと落ち着いてね~私たちにあなたと戦う気持ちはないんだよ」



 クリスが制止するも、



「そうはいっても、私最近戦い不足なんです。戦いたいんです」



 彼女は聞く耳を持たず、私たちに襲い掛かってくる。



 二対一とはいえ、正面から普通に戦っても彼女に勝てるとは思えない。このままでは二人とも倒されてしまう。




「プリア、後は頼んだよ」




 そうつぶやきクリスは短剣を手に持ち彼女に向かって突進した。




 クリスが短剣の一撃を彼女に向かって放つ。しかし、華麗な受け流しにより短剣がはじかれてしまい、ソオーナの長剣がクリスを空の果てまで吹き飛ばしてしまう。



「クリスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」






 彼女は敗北した。だが、クリスの敗北は無駄ではなかった。






 私は占い師の家庭に生まれてきた。なので私にも占い師としての能力が備わっている。占い師は空気や魔力の流れを感知して、それを編集することにより自分の望む結果を引き起こす能力を持っているものだ。



 ただしその力を使うには全神経を集中させる必要があり、さらに発動までにはある程度時間がかかるため、とても戦闘中に行える能力ではない。



 そのため占い師は一般的に戦闘向けの職業ではないとされている。戦闘前に味方の運気ややる気を上げたりする占いも存在するが、私とは相性が良くなく、そのような占いを行うことができない。




 だが私は何としてもその力を戦闘に生かしたいと思っていた。モンスターとの戦闘中に占いを試みたことが何度かあったが、当然うまくいくわけがなかった。



 それでもあきらめきれず、何度も戦闘を意識しながら全神経を集中させる練習や、占いの発動までの時間を短縮する訓練を行い続けていた。その結果、簡単な占いならわずかな時間で行えるようになったのだ。




 しかしそれでもまだ戦闘中に繰り出すには時間がかかってしまう。その時間をクリスが埋めてくれたのだ。



 「タロットよ!何とかして」




 私は服に隠し持っていたタロットの束から一枚のカードを引いた。このタロットカードには新たな道を切り開く効果がある。



「これは、リンゴのカード?いったい何を現しているんだろう」



タロットに表示されたのは謎のリンゴの絵。これでどうやって戦えばいいんだろう。



 とりあえずそれをソオーナに見せてみることにした。



「リンゴの絵?うーん。これはどういうことでしょう」



 彼女も困惑している。



「何だかお腹が空いてきました」



 突然おなかの音を鳴らしたソオーナは、空腹を訴え始めた。そういえばもうそろそろお昼の時間だな。



「戦いは終わりにして、ご飯でも食べに行ったらいいと思います」



「あなたを倒してからゆっくりと食べますよ。なかなかいい構えですね。倒しがいがありますよ」



 私の説得もむなしくソオーナは戦闘態勢に入った。だが空腹のためか彼女の動きが少し鈍ってきている。この状態ならもしかしたら勝てるかも!そう思った私は戦うことに決めた。





 ところが、私が動く前にソオーナは戦闘不能な状態に陥ってしまった。空から降ってきたクリスの下敷きとなってしまったのである。



「クリス、無事だったんだね」



 私は涙を流し、クリスに抱き着き、無事を心から喜んだ。



「とっても心配したんだから。体は大丈夫なの?」



「ま、まーね。どこも痛くないよ~」



 クリスは恥ずかしそうにしながら、健康であることを証明している。ケガとかしてなくてよかった。



「じゃあ牛のモンスターを倒しに行こう」



「行こ~」



 私たちはモンスターを警戒しながら道を進んでいった。




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