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開幕 追憶あるいは走馬灯
これは一人の少女の記憶。経験。混沌の海。
人は混じり、深い海に落ちていく。
一つの魂の物語。
一つの魂を救う物語。
ある人は言った。
「あの少女の魂はもうすぐ闇に落ちる」
誰かが言った。
「じゃあ、俺が中に入って助けよう」
そして、あの人は言った。
「しかし、どうやって?」
誰かは言う。
「彼女と強いリンクを持った人に頼めばいい」
しかし、その人は言う。
「参ったな、俺は出来れば、彼女には会いたくなかったんだけど」
「けれど、彼女が探しているのは君じゃないかな?」
「……何故?」
「君と彼女は似ているからさ」
私は探していた。
一人では寂しいから。
ずっと探していた。
溺れるページが捲れる。
I was looking for it. Because I'm lonely by myself. I was looking for it all the while. The page which drowns is turned up.
これは天崎伊鞠の物語。