興奮
残酷な描写、同性愛描写があります。
同性愛描写の部分は、気にするほどの物では無いと思います。
たった一言ですので。
友人の部屋でだらけていた時、友人が突然、語りだした。
「俺に兄がいるのを、知っているかい?」
俺は「いや」と答えた。
部屋の数や家に置いてある物を見て、兄弟でもいるのか、と思う時はあったが、見た事も無いし、いるような雰囲気も無いし、話をされることも無かったので、いないものだと思っていた。
「数年前は、この家にいたんだけどね」
「一人暮らしでもしてんのか」
友人は、首を横に振った。
「もう死んでいるんだ。俺が中学生の時、男に襲われて」
なぜ、突然、そんな事を話すのか。
暗い顔をするくらいなら、わざわざ話さなくたって良いのに。
「どんな状態で発見されたか知りたい?君なら知りたいよね」
君なら知りたいよね、と言われ、少しドキリとした。
「くり抜かれた両目玉はのどに押し込まれていて、舌や至る所にホチキスの芯が刺さっていて、首には抉られたような深い傷、片方の腕は、これでもかと言うほど、紐できつく縛られていて、爪は剥がされていたり、釘が刺さっていたり、性器はバラバラに切られていて、太腿の皮膚は所々剥がされていた。おまけに、髪の毛には奴の精液がベッタリ付着していた。そんな状態の兄を、想像してみなよ」
言われるまでも無く、俺は想像して、股間を膨らませていた。
友人の兄の拷問された姿を想像して、股間を膨らますなんて、最低だ。
でも、俺がこういう奴なのを知っていて、こんな話をするなんて、一体何を考えているんだ。
「俺は、兄を愛していたんだ」
俺に向けられた、友人の曖昧な表情。
何も感じ取れない俺は、一人で興奮している。
俺は、どうすれば良い。