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枕の下に 希望の上に(6)

百行暖地

朝には消えてしまう

あの温かさは

誰にも

代わりは出来ない

柔らかな光のように

ゆっくりと

鼓動を抱き締める

物には無い感触

生き物の息

静かになる冬の部屋に

二つの息が横になる




手を繋げば

爪先が

口づけすれば

前歯が

抱き締めれば

着衣が

邪魔をして

棘なのか

重りなのか

はたして

それだけなのか

心情を弾けさせては

別の何かで

苛立っていた

そして

それを通過して

「誰かの為」という

何処にでもある言葉を

感覚として理解していく

遠回りして

それは

「あなたの為」に変わる

一緒に居ようの比重が

重くなるんだ




部屋の中に

二人の荷物が増える

単純な行動と

簡単な結果

でも

そこで寄り添う事は

単純じゃなくて

簡単でもない

大切にするって事は

世界で一番

難しいんだ




夜に作り始める

あの温かさは

誰かに

取って代わられたいとは

今は思えない

月明かりの

眩しくない眩しさと

部屋の中の二人ズム

物にはわからない温度

生き物の存在

静かになる冬の部屋に

二つの存在が笑う




顔を見れば

欲しい物が

テレビを見れば

笑顔が

心を見れば

信頼が

欲しがるだけ

欲しがる人になってしまうのか

心を通わせた他人は

自分の物じゃない

縛れない

それでいて縛りたい

閉じ込めたい

そして

それを通過して

「許しの先」という

何処にもない言葉を

感覚として理解していく

遠回りして

それは

「あなたの為」に変わる

一緒に居ようの言葉が

道になるんだ




部屋の中で

一人の時間が消える

単純な道筋と

簡単な結果

そこで消えた物は

有っても良くて

でも

いつしか消えてしまう物

きっと

そうであるべきなんだろう

大切にするって事は

世界で一番

難しくて

考えられない人から

置いて行かれるのだから




寝返りうって

顔が

此方側を向いた

頰が温かい

足先を

僕にくっつけて寝るのは

君の癖だ

寝ながら出来るから

器用だね

だから

この小さな大切さを

明日も作れるように

僕は笑うよ

僕は笑うよ


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