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-KAIBUTU-  作者: べい
隠された自分
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-第2撃- 記憶の行方

いつもならただの夢で終わっていた。

だが、今回はいつもと違う。

『人類を、地球を救え』

彼は確かにそういった。いつもは顔や声、セリフなんて起きた時には全て忘れ、気にもしていなかったのに、今回のそのシーンだけはしっかりと脳裏に焼き付いている。


ーーーこの夢が俺の記憶喪失に関係しているのか??


それともただの思い違いなのか、

調べる手段なんてどこにもなく自分の中に疑問だけが積み重なっていく。


「とにかく、シャワーだな...」


そう、この夢を見た日の朝はとてもめんどくさいのだ。



まず、この謎を解くカギとなるのはこの前一緒に酒を飲んだあの男だな。

って、そういえば連絡先も名前も住んでるところも知らないんだった。


「あぁ~とことんツいてねえ」


仕事場に着くまで解決策を練り、僕はあの男と出会った街灯の下で毎日待つことに決めた。

小学生でも思いつきそうな解決策だなと心の中で自分を馬鹿にし、考えるのをやめる。

なぜ僕が今まで気にもしてもいなかった迷惑な夢を今さらこんなにも夢中で調べているのかは自分にもわからない。

ただ心のどこかで「放っておいたらだめだ、真実を知れ」と言われている様な謎の使命感が自分の中に存在して、この問題に立ち向かわなきゃいけない、そんな気がするのだ。それが気のせいだと言ってしまえばそれまでのだが、なぜか体は勝手にこの問題を解決しようとしている。

まるで自分の知らない誰かに操られているように....


『僕は一体、誰なんだ?』



今日の仕事がやっと終わり、いつものようにコンビニに寄りビールとつまみを買い、少し速足でこの前の街灯へと向かう。もちろん今日の目的は例の男だが、ひそかにあの猫に会うのも少し楽しみで、おつまみも猫が好きそうなツナ缶にした。我ながら完璧。

目的地に到着すると、猫が一匹、あの時の猫がいた。

そしてまたあの上目遣い、安心してください、ちゃんと持ってきてますよ。

ツナ缶を開け地面に置くと猫は獣の顔になり餌に勢いよくかぶりつく。

そんな光景を見ながら僕はビールを飲み胡坐をかきながらあの男を待つ。昨日に比べてまだ時間はまだ早く、くる気配もない。

それから数時間待ったが男は姿を現すことがなかった。


********************************************


それから一週間、僕は仕事帰りに男を待ち続けたがあの男が来ることはなかった。

今日も街灯で猫と一緒にビールを飲み待ったが結果は同じ。


「そろそろ潮時か?」


そもそも会ったところで何になる?この現状が解決するのだろうか?

これがもし勘違いだったら僕はただのイタイ奴だ。

なにが『人類を地球を救え』だ...


「少年漫画の主人公かっつーの!!!!」


まずい、思い切り叫んでしまった。

ここは寮みたいなもので僕以外にもたくさんの人が住んでいる。これは絶対に苦情が.....


ピーンポーン


き、きたー。

やばい、ここ追い出されたら住む所なんてねーよ....


ピーンポーン


もうこれは素直に謝るしかない。

玄関まで行き恐る恐るドアを開けた。


「この度は迷惑をおかけし誠にすいませ.....って、え???」


そこにはあの男が笑顔で立っていた。





男の正体とは!?

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