絶望的マジシャン
しょっちゅうカードを切るのをミスる
しょっちゅう1つ飛ばして進めちゃう
しょっちゅうタネを見破られてしまう
しょっちゅう客にバカにされてしまう
ある1人の客がした禁断の質問
「なんでそんなに下手なのに、やってるの?」
彼は人呼んで “絶望的なマジシャン”
彼は人呼んで “絶望的なマジシャン”
彼のタネなんて 子どもでも見破られるんだ
だけどその心だけは誰にも分からない
彼に浴びせられる 遠慮のない誹謗中傷は
客らの黒い心に満足感をもたらす
彼に浴びせられる とりとめのない誹謗中傷を
僕はスルーしたい
彼は人呼んで “絶望的なマジシャン”
彼は人呼んで “絶望的なマジシャン”
彼は人を呼んで 誰も来てくれないマジシャン
彼は今、何を思っているのだろう
見逃さなかったのは きっと僕だけだろう
彼の目に一瞬射した とてつもなく哀しい光
見逃さなかったけど 僕は見ていないフリをして
忘れたかったから 蓋をして捨てた
彼は人呼んで “絶望的なマジシャン”
彼は人呼んで “絶望的なマジシャン”
彼のことなんか 誰も尊敬なんかしないよ
だけど何故だろう 何年経っても覚えてる
彼は頑張って 生きようとしているんだ
僕は頑張って 何かをしようとかあるのかな
彼はまた今日も 誰かを騙せずにいるのかな
僕はまた今日も 自分を騙して暮らしてる