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T記者はなぜこのような記事を書いたか

 上毛新聞富岡支局にとっては、富岡製糸場関連以外のニュースを本社に提供するまたとない機会であったのだろうが、T記者の取材力であの取材先(k氏)に挑み、記事を作成するというのはあまりに無謀だ。T記者とk氏を知る者からすれば、まだ竹槍でB29を撃墜するほうが成功率が高いと思える図式だろう。

 

 せめてT記者は正確を期するため、近隣の家にも聞き込みを行うべきだった。k氏ただ一人の話を鵜呑みにし、群馬の読者が気に入るように味付けをして提供した結果が、前話で引用した誤報、誤りだらけの記事である。


 今後、k氏夫妻はリフォームしてその家に住むという。

 上毛新聞曰く『一気に炎にのまれた』自宅に、リフォームを施して住むというのは、果たしてどう意味だろうか。文学的表現、哲学的表現の可能性もなくはないが、難解過ぎて読者には伝わらないことだろう。


 ……即ち、T記者が小説家でも哲学家でもなく、新聞記者として第三話の記事を書いているのなら、焼失した我が家をk氏の住居と錯覚し、記事を書いたのである。火災翌日の記事に大きなミスはなく、私の家が燃えたことはしっかりと書かれていたはずだ。それから一月後に世に出たこの記事の完成度を鑑みると、上毛新聞における取材とは、我々の思う取材と全く別の意味の言葉なのかもしれない。

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