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上毛新聞誤報伝 -火事顛末記の1-  作者: 山の下馳夫


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誤報のもたらしたもの③ 騙された読者

 上毛新聞社に対し、母は訂正記事を出すようにと言ったこともある。しかしながら上毛新聞は問題の誤報記事に関して「あなたの家に関しては書いてないので、訂正記事を出す必要はない」(第14話)との見解を示した。


 だが、問題の誤報記事によって被害を受けた人がいたら、やはりそれは報道被害と表現するしかない。2016年2月13日(土曜日)の上毛新聞「記者め~る」は、群馬県下においてはそれなり以上の影響力があった。


 詳しく書いてしまうと、善意で行動した人々を非難するような内容になってしまうため概略だけを記すが、k氏のために書かれたようなこの『誤報記事』は、k氏のその後の生活を回復するために結構な役に立ってしまった――、すなわちk氏による新たな被害者を生み出したのであった。

 代用の工場に地区からの見舞金、火事を起こし我が家を焼失させたk氏は、『誤報記事』を根拠に、我が家への謝罪を一切行わず、自分も一被害者として生活していくことをより強固に決定した。上毛新聞社という群馬では一流の報道機関を後ろ盾にしたk氏は、この記事を喧伝することで周囲の同情を買うことに成功し、その後の自分たちの生活を軌道に戻すため、人心を利用したのであった。

 

 上毛新聞によって創り上げられた『原因不明の火災で家と工場を失った老夫婦像』は、絶大な効果を発揮した。第15話から始まる『誤報のもたらしたものシリーズ』で詳述したように、この地域に住む住民のメディアリテラシーには多分に問題がある。k氏宅と我が家に関しても、この誤報記事が出る前から誤認するし、火事現場に物見遊山で車で乗り付けるくらいの恥知らずも少なからず存在しているくらいである――彼らは、この程度の記事であっても鵜呑みにしてしまうほどに、ある意味で純粋であった。


 誤報は誤報であることを知られないままに広まってしまったわけだ。一切の取材を行わず、ここまで市民に影響力のある記事を書いたというのは、T記者もさぞかし記者冥利に尽きることであろうが、彼の辣腕を誉めて終わりという訳にはいかない。この話にはまだ続きがある。次回は、母が上毛新聞社の記者から明らかにした、この誤報記事誕生の背景を語りたい。

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