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LinK  作者: 及川有紀子
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LinK8




その機体ははじめて見た。



「なんなのよ!もう!」



倒しても倒してもきりがない。

皆疲れきっていた。

そんな時だった。


「メグ!!」



メグが狙われた。



自分の位置からだと助けに行けても間に合うか、間に合わないか、

だけど、考えるより先に身体が動いてた。



それより先にアンダーロイドが倒れた。


「えっ!?」



そこに居たのは見た事のない、真っ黒な機体。

近くには緑色の機体と水色の機体もいた。



「新しい…アンドロイド…?」


「味方…?なのかな…?」



四ノ宮が喋った時、黒い機体のパイロットは、


「ようやく見つけた…!ヒナ…!」



嬉しそうに、でも泣きそうな声で、そう言った。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「四ノ宮、さっきのやつら知ってるのか?」



四ノ宮日向は一瞬びっくりした顔をしたあと、

またいつも通りふにゃりと笑って、「し、知らないよ」と答えた。


「嘘なんだな、だなには分かるんだな、」


肩に乗っていただながぴょんと降りると四ノ宮の足元に擦り寄った。


「さっきのやつらは悪いやつじゃないんだな、玄武の匂いがしたんだな、」



しばらく黙っていた四ノ宮が、口を開いた。



「白石くんは、ひまわり園って知ってる?」


「え?ああ、確か海の近くにある施設だろ?」


身寄りのいない子供をひきとり、大人になるまでそこの園で過ごす。


「…私ね、ひまわり園の施設長の娘でね、一人っ子だったから、よく園のみんなと遊んでたりしてたの、」



「ん?待てよ、施設長の娘って確か火事で死んだんじゃ、」



「ひまわり園が火事になること、私、知ってたの。だから、逃げたの、」


まもるくんと、かえでちゃんは助けたくて、その日、天体観測に行こうって、施設を抜けだして。戻ってくると園は燃えていた。


「…味方って言ったけど、二人は私を許してくれないよ、きっと。」



私は、友達に、酷いことをしたと、泣きそうな声で、話した。


突然緊急放送が入った。


アンダーロイドが暴走している。動ける生徒で鎮圧しろとの事だった。



「ちゃんと、ごめんなさいって、言えば、許してくれるんじゃないか、」



「白石くん…うん、そうだね、」


ふにゃり。いつもの四ノ宮の笑った顔だ。



「急ごう、」


「うん…!」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「くっそ!!」



「ちょこまかと動くんじゃないわよ!」


「あーもう!こいつらゴキブリかよ!」


「虫型だからゴキブリなんじゃないですかね!」


「そういうことじゃねーよ!!」



うじゃうじゃと虫型アンダーロイドが蠢いている。正直気持ち悪い。


「四ノ宮!!」


「ヒナ!!」



さっきの戦いでメグを狙っていた奴は、次に四ノ宮に襲いかかろうとしていた。


「タクト!リンクって言うんだな!」


「え!?」


「早く!! 」



迷ってる時間はなかった、


「リンク!!」



すると膝にいただなが急に光りだして、



(なんだこれ…!)


俺の機体が光に包まれて、さっきの戦いでボロボロだった箇所が修復されて、白に青のライン、そして、翼があった。



(聞こえるだな?)



(だな!これは一体…!)



(説明は後なんだな、)



「四ノ宮!」


間一髪、今までの機体よりスピードが出たので、襲いかかろうとしていたアンダーロイドを倒せた。



「あ、ありがとう、白石くん、」



さっきの光で大半のアンダーロイドが弱っていた。

すると突然どこからか炎が出て、アンダーロイドが焼き尽くされていった。



(あついよぅ、)

(いたいよぅ)

(助けて、おとうさん、おかあさん)




そんな声が聞こえてきた。



「い…いや…もうやめてぇぇぇぇ!!」


「四ノ宮!?」


四ノ宮は炎を見たとたんに悲鳴をあげると気を失ってしまった。

リンクした機体は暴走しだした。



「まずい…!このままじゃ…!」



炎に突っ込むぞ!誰かが言った時、あの時の黒い機体が四ノ宮の機体を受け止めた。



ぽつり、ぽつりと降りだした雨。

炎は鎮火された。

炎が消えて、残っていたのは、アンダーロイドではなく、人骨だった。



∴動き出した歯車





















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