LinK25
「メグ、先生や博士達に連絡お願い、俺、バッキー達のとこ、戻るよ、」
「拓人!?」
「嫌なんだ、誰かが傷付くのも、いなくなるのも、」
戻った所で何が出来るかなんて分からない。けど。このままはもっと嫌だ。
「お兄ちゃん!!」
「美月!」
「美月ちゃん!?」
大きな朱い鳥に乗ってるのは間違いなく美月だ。
なんで、ここに。
「私は、なおちゃんを助けに行くよ、友達だから、」
俺とは違って、真っ直ぐな瞳をしていた。
「美月ちゃん、危ないよ!」
「めぐちゃん、私ね、なおちゃんが来るまで、めぐちゃんしか友達がいなかったの、」
「私が一人でいたら、めぐちゃんが来てくれて、お兄ちゃんと三人で遊んだよね、」
「私ね、めぐちゃんが来てくれるのが、すっごくうれしかったの、」
「だからね、今度は私が迎えに行けるように、なりたいの、めぐちゃんみたいに、」
「大丈夫。ナツもいる。お兄ちゃんのお友達もいる、なおちゃんもいる、私だけ見てるだけなんて嫌だし、お兄ちゃんみたいに考えて行動するなんて、私には出来ない。でも、私はなおちゃんを助ける事、間違いだなんて思いたくないから」
「私は、主が一番だから、主の命に従うまでだ」
「美月……ナツさん……、メグ、やっぱり俺、行くよ、連絡任せた」
「美月、泣き言は言うなよ」
「当たり前じゃん!お兄ちゃんの妹だもん!」
「だなも頑張るんだな!」
「行こう!」
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「真守、慎さんを頼んだ、あたしは行く、あいつを倒す、」
「馬鹿言うな!一人じゃ」
「一人じゃない、白石も、藤原も、ヒナも、ニーナも、宮本も、それに、真守、お前がいる、」
「かえでっ……!」
「海武には連絡してある、友美ももうすぐ来るはずだ、そうしたら一緒に病院に行ってくれ、それに、海武の人達もいる、」
「真守、あたしは、お前に守ってもらってばかりだ、あたしは、守るものなんて、なかったはずなんだが、ここでは守りたいものが増えたんだ。だから、あたしは戦う、守られてばかりのお姫様なんて、ガラじゃないからな」
「……慎さんのこと、頼んだ、」
「楓!……必ず、戻って来い、」
長い黒髪が風に靡いた。
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「いつまでべそべそしてんだ、ちー坊」
「か、会長……!?なんでここに……!?」
「学園に連絡があったんだ、あそこにいる奴を倒せと。
うちは青北や海武みたいに機体に特化したわけでもない。が、援護くらいしないとな。学校とか、人間とか機械とか関係ない。」
「ちー坊、お前はまだ、戦えるな」
「はい!」
「何人か精鋭部隊を編成した、まぁ足手まといにはならないと思うが、頼んだぞ、」
「はいっ!」
柔らかな、凛とした声が響いた。